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夜と朝を分ける頃の静寂の街で耳を澄ませば

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夜と朝を分ける頃の静寂の街で耳を澄ませば、漁船たちのゴーという音、新聞配達のスタンコトンという音があって、重なるように父や母の寝息の音がしていたことを思い出します。五感の何かは遠い記憶へと繋がって、時々、喜怒哀楽の山のてっぺんに僕を誘います。どの一文字にたどり着いたのかを書かないで済まそうとするのは、想像を促しているわけではなく、きっと照れているのでしょうね。

朝に向かって白い光を仰げば、むかしむかしは当たり前に優しさを与えてくれていたことを知ります。カラスが鳴いて、トラックは坂道を力強く登りはじめました。今日もいつか遠い昔になるのであれば、与えられていたのと同じように、優しさを与えて過ごしていかなければならないのだと思います。

鳥の声に仲間たちが呼応して、朝を朝っぽく伝え始めました。誰も汚していない朝の空気は透明で、小さな生き物たちの動き出す気配も見えるように伝わってきます。彼らはもう、今日を生き始めました。

朝にはいろんな記憶と気配があります。当たり前のようで壊れやすいひとつひとつは、いつか触れられなくなる遠くの優しさ。だから今日を刻むように大切に生きていきたいと願うのです。

もう、すっかり、朝になりました。おはようございます。