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「動員目標」という言葉を使ってしまう危うさ ~ノルマと目標の違い~

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月末や年度末が近づくと「同友会 退会」というキーワードで検索からやってきてくれる方が増えてきます。

「同友会 退会」というキーワードで2~3位あたりに表示されるうちのブログ。改めて読み返してみると「わー、清々しいなぁ。よくこんなこと平気で書いちゃうなぁ。若かったんだなぁ、青いなぁ」なんて思うのですが、実は一年前に書いた記事だと知って驚愕しています。いつまでも青い。

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同友会で大嫌いなことに「動員」があります。イベントがあって、その人数を集めなければならないというシステム。「人を増やす」と「人が増える」は全然意味が違うじゃないか。えぇぇ、社長さん、これ、あなたの会社だったら「とにかく売ってこい」って社員さんに命令するってことですよね? 「どうやったら売れるようになるだろう?」と議論するのではなくて、ノルマ的に人を動かそうとしてるってことですよねそういうことですよね? と、内心思いながら、いつも「わー、数字達成、大変ですね。なんとか実現しましょうね」という大人の対応をしています。でもこれ、ほんと、同友会をやめたくなるランキング一位なんじゃないだろうか。

理念をもって経営することが大切だ。理念を実現するための行動計画を立てなければならない。この落とし込み方は僕は大好きなのですが、これだけ素敵な看板を掲げていても「ノルマじゃー、ノルマじゃーほれほれ」となると、理念って嘘なんじゃないかと思ってしまうわけです。ひとはノルマのために動くものではない。

ノルマで人を縛らなければ買ってもらえない商品やサービスっていうのは、在り方自体がおかしいわけで、ならば、動員がノルマのようになってしまっているイベントというものも、何かが間違っているのではないかとモヤモヤしてしまいます。そんなやり方覚えてしまうと、会社でも同じように、人を数字で動かそうとしてしまわない? だいじょうぶ? 人ってもっと、感情の生き物なんじゃない? そんな風に思ってしまって。

目標は大切なことだと思うのです。数値の目標を持つことは、意識を高めて行動につながる。だから目標は持つべき。ただ、それがノルマになってしまうと、途端に意味は変わるのではないかという問題提起。「ノルマではなくて、目標なんだよ」と自分がいくら言ったところで、相手がノルマだと受け止めてしまったら、それは、実情はどうであれ「とっても重たい」ものなのです。世の中は見せ方が正義なんじゃない、きっと、見られ方が正義。

同友会に参加するときの自分の口癖と意識は「同友会のための同友会活動はしない」。では何のために参加するのか。「自分の会社と、会社のメンバーとお客さんが良くなるために」出席する。それだけ。同友会の何かの数字を達成する必要があって、それが自社につながると思えば喜んでやるし、そのストーリーが希薄なものに対しては欠席するし断る。しつこければ退会する。そう決めてる。

「同友会 退会」というキーワードで検索する人たちが多くいるから、僕はその人たちの気持ちを想像する機会に多く恵まれるわけです。成功に学ぶのも良し、だけど、背を向けて去ろうとしている人たちの理由を考えることにもまた、きっと意義があるのではないか。

こんなことを平気で書いてしまう自分は、やっぱり青いのでしょう。でも、その、「やっぱり」がずっと続いているブレのない人たちに、僕はとても憧れを抱くのです。そう見せたいのではなく、そう見られたいと、心から願うのです。