川柳をこよなく愛する明石のタコ

神戸の印刷会社、前川企画印刷の代表ばたがお届けしております

短歌鑑賞

[短歌鑑賞]あと少しのぼれば空が見えますよ抱きしめているもの捨てなさい/東直子

投稿日:

あと少しのぼれば空が見えますよ抱きしめているもの捨てなさい
東直子(twitter)
十階 短歌日記2007

荷を背負ったままで走りきれるわけがないのに、まるで命よりも重たいものであるかのように抱えてしまう。結果、膝から崩れ落ちて君は、追いつかれて肩にかかる手にすべてを諦める。守るようにして胸にあったものは、執着が名を変えただけのもの。捨てることを先に立てたら、新しい景色に触れることができる。

何をやるか決めることよりも、何をやらないかを決めることの方が重要な気がする。生産性のある仕事をしている人の机はいつも片付いていて、僕の机のように、山や谷や土砂崩れの跡がない。身軽さが加速の根源であることはわかっていても、思いきれないのはどうしてだろう。いつか自分がメモに残した「やればできる子はやらない子」の文字に、自ら刺さってる。どんな空が見えてくるだろうと想像するのは深い林のなか。光に遠いところでキーボードを打つ。

Google

Google

-短歌鑑賞
-

執筆者:

関連記事

[短歌鑑賞]だまし絵に騙されあっていましたね でたらめにうつくしかった日々/笹井宏之

だまし絵に騙されあっていましたね でたらめにうつくしかった日々 笹井宏之 てんとろり 放課後や夏休みは永遠に続くように思われた。幾つもの夢を語り合って、世界は僕たちの手のひらをコロコロとした。悔し涙も …

no image

[短歌鑑賞]真実がもしも山なら君たちが登ったところで徒労ではない/中島裕介

真実がもしも山なら君たちが登ったところで徒労ではない 中島裕介 もしニーチェが短歌を詠んだら 効率のいい方法、近道。 検索すればいくらでも答えに辿り着けるようになって、打たれ強さを育む「必要な無駄」と …

no image

[短歌鑑賞]たっぷりと春を含んだ日溜まりであなたの夢と少し繋がる/笹井宏之

たっぷりと春を含んだ日溜まりであなたの夢と少し繋がる 笹井宏之 えーえんとくちから 理論は統計で、統計は感情や思惑の積み上げに過ぎない。だから結局、直感や感覚と呼ばれるようなもので最短距離を選べる人は …

[短歌鑑賞]多すぎる言葉を払い落したらきれいな空が広がっていた/中畑智江

多すぎる言葉を払い落したらきれいな空が広がっていた 中畑智江 同じ白さで雪は降りくる (新鋭短歌シリーズ15) 「愚痴なら聞くよ」「ほんと?」 ところが不幸話には、お互いの不幸が重なり始めてしまう。「 …

[短歌鑑賞]風鈴の思い出しては鳴っているあれはゆうべの星との会話/杉崎恒夫

風鈴の思い出しては鳴っているあれはゆうべの星との会話 杉崎恒夫 パン屋のパンセ 縁側、冷たい水。蝉の声、高校野球の実況中継に団扇の風、時折、風鈴。 夏は空がキーンとしていて、ひとつひとつの景色や音が色 …

Google


↑成人式や卒業式、入学式に似合う髪飾り特集はこちら
(コトバノ監修/【ギフトにも最適、桐箱付】)
このブログの執筆者であり前川企画印刷の代表である西端がフォト詩集をiPhoneアプリで出しました。知識ではなく、感性に訴えかける写真と言葉たち。もし良かったら、もし良かったら…
follow us in feedly