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[川柳鑑賞日記]補聴器を両手で受ける床屋さん/老沼正一

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この句を読んで、僕は「そうかっ」と唸ってしまった。当然、耳が不自由でも髪は伸びるし、床屋に行く必要がある。装着したままでは不便がある散髪。その事実に「床屋さん」と呼称をつけて呼ぶ作者と、それを両手で大切に受け止める店主の日常が浮かぶのだ。17文字は日常でありドラマだと思う。日常の中にこそドラマはある。

補聴器を両手で受ける床屋さん/老沼正一
川柳ふあうすと 2025年5月号

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