これはとても皮肉なことで
会社が大変な事態であることをお伝えすると
実はうちもこんな状況で…… と
カミングアウトされることが増えた
病気になったときもそうだった
ブログやSNSで病状を伝え続けていると
ご自身の身体やメンタルの不調について
打ち明けてくださる方が続出した
自分を伝えるという行為は
誰かの気持ちをゆるめて「ゆるす」効果が
あるのかもしれない
昔からそんな風に思っている
*
彼の行方は依然、不明だ
実務的なことを言えば
急きょ行方不明になったことで
出費を強いられた交通費や人件費などの類は
すべて記録をとっていて、彼に請求をする
とはいえ
彼にその資力があるとは思えない
まして
彼が逮捕されるようなことがあればますます
再就職も難しくなり、こちらへの返済が滞る
彼はどうするんだろう
そしてうちはどうなるんだろう
頑張ってくれているふたりに報いるためにも
うちだって資力が必要だ
彼にはほかにも返済すべきお金があって
それは何年も前から
自分がずっと立て替えている
*
プライドを持って仕事に向かい
心をこめてお客様に接する彼女たち
だからこそ
無茶をお客さんに言われれば
「それは対等ではありません」
とお断りしなければならない
断るのは
自分の役割だと思う
でもいま、こんな状況なので
本来Noを言うべき場面で
彼女にひとつ我慢を強いてしまった
悔しいし申し訳ない
不甲斐ない
心には心で応じてほしくとも
綺麗ごとばかりの世の中ではない
わかってる
だから断る
それだけのこと
でも
それだけのことができない状況
それが本当に悔しい
申し訳ない