雑記

川柳を通じて、広がり、得るもの。

小僧さん、はじめまして。

コメント欄で、お褒めいただきありがとうございました。
身に余る光栄です。

川柳は、短くも、その中に人の心を投影する不思議な魅力を
持っていますね。いまは、共感する句に出会えたり、自分の
世界観を認めていただけることが、本当に嬉しい毎日です。

どうか、これからもアドバイス、宜しくお願いしますね。

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コメント欄に寄せていただいた小僧さんの句集、皆様にも改めて
お読みいただきたく、blogエントリー内でご紹介させていただきます。

川柳は人間、そこにドラマありて。

とても、とても切なく、そして、素敵な句がいっぱいで感動しました。

今は空に居られる奥様との最後の日々。
心に染みます。

色と温もりのある、素敵な句、ほんとうにありがとうございました。

■■■>>>(以下、小僧さんからお寄せ頂いた文章です)

いい句を作られていますね。当方、「川柳屋」という大店(おおだな)に入れて
貰って修行中の身です。川柳小僧略して小僧といいます。
どうぞよろしくご指導願います。

 小僧ミニミニ句集

 第1章 『飛行雲』 (亡き妻弘美に捧げる)

    癌告知ドラマみたいとはしゃぐ妻
胃を取れば痩せられるかも明日手術
    人が来てそっと離れる夫婦です
  中年が薔薇三本を買うコント
   愛と哀いのち見詰めて立ち尽くす
二人して中心二つ楕円描く
   治癒ったら旅行約束 癌末期
  寄り添って愛のサイズが合ってきた
千羽鶴父も手伝う娘の祈り
パチンコ台命の時間流れてる
  愛しいを哀しいと読む「命」です
双方から同じ想いを見つめ合う
    飛行雲病窓の空高く白  
飛行雲夕陽に紅く交差する     
    鶴を折る生きつつ死にてある命 
ありがとう生きる哀しさ知った日に
見返す眼に「愛してるよ」が精一杯
    神の馬鹿それも言えずにただ見詰め
    生と死の僅かな隙に白い河  
   握る手に命の温度消えてゆく
  寄り添ってやがて離れる飛行雲
    日常を失くした鳩は歌わない
   哀しみをユーモアにと空廻り
「お帰り」の一言なくて白い壁
    アイロンの複線亡妻が笑ってる
  出てきた日記アイロンかけてみる
 ときどきは勝手に開く想いの蓋
    こころはネそういう風にできている
    夕焼けの階段登って「お~いおい」
   悪いけど親父妻ほど夢に出ず
    もうとまだあれから四年墓参り
生き急ぎ駆け抜け去って行った君
言葉ではこぼれるものの多すぎて
パソコンに眠ったままの哀妻記
友の訃に白い時間が流れ出す
あらためて妻の不在の朱い箸

 第2章 『空・雲 そして』

    夜の廊下 貨物列車が抜けて行く
   夜の明ける方へ方へと一輪車
   夕焼けがあんなに紅い 褒めてやれ
   車捨て夕焼け小焼け出逢ったよ
    海に出る青いランプに逢いたくて
   白い雲空の青さは染みこまず
    コンドルが崖の高さを引き上げる
    白い羽根水面漂い春の川
    夕焼けの大きく見えて蝶一羽
そういえばあれから空を見ていない
    空と雲飛びとび映す水たまり
青すぎてところどころを白く塗る
    なあんにも考えないで雪がふる
眼を上げて空のオシャレに救われる
五月雨を少し加えて練り直す
夕焼けは赤い金魚の行くところ
鮟鱇の聞いてる海の基調音
海の藻が波に揺れつつ持つ内緒
青い海白鳥の白染めません
元気かい分教場のめだか達
おんおんと鐘の音響く湖の底
深海の貝は語らず喜も哀も

 第3章 『ヒューモア』(=「に~んげん」)

   肩こりは街の直線かららしい
    正直になろうなろうとしてる竹
   あの頃は明朝体の恋でした
   傷心の象の足首巻くガーゼ
    コンドルの哲人めいて檻の中
   人間はそういう風に出来ている
人間はそういうこともしてしまう
   そのへんの孤独集めて焚き火する
    ええ今も途中なんです生きてます
   片方のブーツに造花挿しておく
   ふと覗く穴どうしょうもなく深い
   ふわふわと落ちていく羽根深い井戸
   ユーモアは深く静かに発酵中
   スープより味噌汁所望がま蛙
   ひげ鯨スープの皿を渡り行く
   人生の等高線にあいつ居る
    胸の底軽い矜持が沈んでる
   ブランコをゆああんゆあん涙切る
   人生の最後のジョーク箸で骨
    余るはずないのにどうも余ってる
好きなどと言えば壊れてしまうもの
あらぬことまた聞かされるパンの耳
「義理」という言葉生きてるチョコレート
いま鬼の頬の当たりを歩いてる
散文になった心が遊ばない
右の脳やたら寝ている乾いてる
この地図に涙の川は載ってない
いつまでも母を辞めない老母である
泣きたいがハンカチ無くて泣けません
剥けば空神と私と玉ねぎと
人生は生で食べてはいけません
投げ込んで返って来ない石の音
うなだれて貝殻の街ゆく 独り

=近詠より= 下記は「題」です

 少年の愁い薄暮に青く咲く     咲く
 あと一つ何かがたりぬと卵割る  割る
 青空と海に割り印押しに行く     割る
 夜の空紺の光のオーケストラ     溢れる
 これからもこれからもなく眠る猫    これから
 父はいまひらがなで書くおとこです    おとこ
 生み立てをそっとタオルに置く卵    タオル

 手の平に乗るだけの海を持っている 海
 手紙は今白い空間移動中 手紙
 階段でティッシュを配る風小僧 =自由詠=
 動機なら彼が「人間」だからです 動機

 やって来たピンクのバスに乗ってみる 
 思い出の街はよそいき白い道
 寝る場所は濃い紫のその奥で
 日常に突如割り込む黒い淵
 氷上を赤いスリッパやって来る
 青い風一気に壁を駆け上がる

といった句を創ってきました。まだまだ新米で、ばたさんのような味のある句は創れません。
一応、びわこ番傘に所属していますが、川柳大学にも投稿しています。
インターネットでは「木馬館」で遊んでいます。
 どうかよろしくお願いします。

■■■<<<(以上、小僧さんからお寄せ頂いた文章です)

時実新子さんの訃報に始まった一