川柳

選び方も個性。僕には僕の心の色がある ~ふあうすと川柳句会の選者

人前に立つことは好き。

1をnの人に伝えられて効率がいいし、相手の顔色に意識を向ける必要もない。緊張して当然という環境なので、ある程度の失敗は許容されるという空気もある。前で話をするだけで一定の評価をしていただける。チャンスのあるたび、有り難いことだと思う。

ところが。

川柳句会の選者は、当日匿名で投句された何百かの句の中から1時間で天地人佳作の順位を決めて選び出さなければならない。周囲は人生の先輩方ばかり。川柳歴も自分より長い方ばかりであるのに、「選ばない」という作業を行うことは本当にプレッシャーがかかって胃が痛くなる。半年以上も前から決まっていたことではあるけれど、ここ数ヶ月、その場を想像しては何度も逃げ出したい気持ちに支配されることが続いた。

「川柳は人である」と言ったのはふあうすと創立者の椙元紋太師。句の数だけ人があって想いがあるものを、選者のフィルターを通過することによって没にも作品にもなっていく。誰かの人生を否定することにさえなりかねず、選の方法にはいつも議論があるところだが、さて、僕を通り抜けていった作品たちにはどんな批評が集まることだろう。

選び方も個性。僕には僕の心の色がある。重なるものも、対極にあるものも、アンテナに留まった順に会場で読み上げることになる。題は「花火」。何色が上がって、どんな景色の余韻に浸ることができるか。緊張を覚えつつ、一週間先の自分のデビューを想像して心を整えているところ。