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イギリスがEU(ヨーロッパ連合)を離脱したい理由と日本経済への影響について、アイドルにたとえて話をしてみよう

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日本時間、6月24日早朝にイギリスでは国民投票が行われます。「みんなー、EU(ヨーロッパ連合)から離脱しようかと思うねんけど、どない思う?」。では、そもそも、イギリスはどうしてEUを離脱したがっているのでしょうか。

イギリスはなぜEUを離脱したいのか ~難民受け入れの問題

日本と違って、ヨーロッパは陸続き。周辺国はもちろん、遠くアジアやアフリカの国からも移民難民を受け入れています。そしてヨーロッパのなかでもイギリスは社会保障が手厚くて、難民たちには大人気。家や仕事、お金や医療について十分なケアが受けられる仕組みが整っています。「イギリス行ったら、どないかなるわ~助かるわ~」

難民を受け入れれば受け入れるほど、自国民から得た税収は難民のケアに多く費やされるようになってしまいます。仕事の保障もしなければなりません。最初からイギリスにいた人たちにとってみれば容易には納得のできない話です。難民を受け入れたがために、自分たちのために使われるべきお金は使われず、さらには、仕事まで取り上げられてしまう可能性があるのです。「なんでやねん、なんであとから来た奴らが優遇されるんや。なんでわしが不幸にならんとあかんのや」

だったらイギリスは難民を受け入れなければいいじゃない ~難民受け入れを拒否できない理由

ならば、イギリスは難民の受け入れを拒否すればいいのです。しかしここで問題があります。EU(ヨーロッパ連合)に加盟している国は、難民や移民の受け入れを(原則として)拒否してはならないという法律が存在するのです。EUに加盟していれば、加盟国同士での関税が不要になるなど、経済的なメリットもたくさんありますが、その代償として受け入れる難民の生活保障のためには多額の税金が使われるようになってしまいました。そこで冒頭の話になります。「みんな、どないする? EUにおった方が得することも多いやん、でも、難民は受け入れ続けんとあかんねん。どっちが損で得か、わからへん。だからもう、投票で決めてしまおうぜー」

実際にイギリスがEUを離脱するとどうなるのだろう?

では実際にイギリスがEUを離脱するとどんな問題がおきるのでしょうか。

ここでポイントになるのがEUが「連合(ヨーロッパ連合)」であるということです。簡単にいってしまえば、EUに加盟しているそれぞれの国は「ひとつの国」としてみなされます。「イギリスで商売やったれー、うおお、そしたらあれか、今度はフランスで支店を出すときに、面倒な手続きなく支店を出せるんかー!すげー!」

ヨーロッパは陸続き。どうせなら、ひとつの拠点周辺に支店をばーっと広げてしまいたいではないですか。連合に加盟していなければ、それぞれの国で手続きをする必要がありますが、イギリスは連合に加盟しています。つまり、イギリスで一度支店を出してしまえば、EUに加盟している他の国に支店を増やしていくのは(手続き上は)とても簡単になるのです。これはラッキー。

でも、でも、ということは、です。

イギリスに支店を出せば今後のヨーロッパ展開は楽だったはずが、イギリスがEUを離脱してしまえば、EUに加盟している他の国に支店を出すとき、また、手続きの手間暇がかかるようになってしまいます。面倒です。だったらアレです。フランスでもドイツでもいい。EU全体への足掛かりとして考えるのなら、(EU離脱後の)イギリスに支店には魅力がないし、他の国に支店をつくってしまいましょうという考え方をするようになるわけです。合理的。

そう、このとき、各企業はイギリスに支店を置くことをやめるようになってしまいます。支店の数が減るとどうなるか。働く場所が減ります。失業者が増えます。国力が弱くなってしまいます。イギリスの未来が暗くなります。こんな大切なこと、政治家だけで決められないよね? だから国民投票しましょうよ、冒頭の話です。

ポンドやユーロ、円はどうなるのだろう、そして日本への影響は?

イギリスがEUを離脱します。EUというのは大きな大きなアイドルグループ。アイドルグループの看板があったからこそ、イギリスはそのなかで存在感を発揮することができました。EUから離脱、つまり、グループから卒業したアイドルはどうなってしまうでしょう? そう、「おいおい、あいつ大丈夫か? グループあってこそのアイドルやったやんか」という評価をされてしまいます。信用が低下するわけですね。

イギリスという国の信用が低下するとどうなるか。国の信用を分かりやすく伝えるのが通貨の価値。通貨の価値が下落していくわけです。人気アイドルがスキャンダルをおこせば、アイドルのCDや写真集は古本屋さんで安く売られるようになってしまうのと同じことです。

1ポンドが160円だったとしましょう。価値が下落すると、1ポンドが120円や100円、80円となっていきます。今まで1ポンドで缶ジュースを買えていたものが、買えなくなってしまうのです。同じものをよその国から買うのに、たくさんのお金を必要とするようになってしまいます。ますます国のチカラが弱くなって、失業者が増える。そしてイギリスの景気が悪くなってしまいます。イギリスの景気が悪くなると、イギリスの人にモノを売りたい日本の企業は買ってもらえなくなります。

イギリスの景気が悪くなると、日本からイギリスにモノが売れなくなります。輸出産業の人たちが困ります。また、1ポンドが120円や100円と「円高」になってしまいますので、同じものを売ったときに、イギリスから得られるお金も少なくなってしまいます。日本の景気は悪くなってしまうというわけです。

まとめ:だから日本の本音としては、イギリスにEUを離脱してほしくない

まとめ、結論です。

いまの日本は「海外に向けてモノを売る=外貨を得る」ことで国を豊かにしていこうという考え方をしています。同じものを売るなら、100円が手に入るより120円であったほうが嬉しいのです。円安であってほしいという本音。だから、イギリスの通貨であるポンドの価値は下がってほしくありません。移民難民の問題はよくわかっているけど、経済的なメリットを考えれば、イギリスさん、EUは絶対離脱しないほうがいいよ。ね、お願いだから留まっていて。というのが本音であると言えるでしょう。

イギリスというアイドルが、グループから抜けて独立してもうまくいくわけがない。どうかこれからもグループに残って、僕たちの持っているCDやグッズの価値を落とさないでおくれ、頼むよ……

と、西端なりの見解をお伝えしてみました。ご質問いただきましたNさん、なんとなくイメージは掴んでいただけましたでしょうか。「文化」や「治安」、「輸入や輸出」の関係など、細かい事情も色々あるのだと思いますが、自分の理解している範囲のイメージで書いてみました。