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溺れている君を助けてやることもできない

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転んだ。

頸椎椎間板ヘルニアになって以来、僕は肩と腕が不自由で、たとえばドアを引いて開いたり、物を引き寄せたりする動作を苦手とする。

そんな不自由を常態とする自分が、転倒時の受け身を取れるわけもなく、打ち付けた膝と肩が痛々しいことになってしまった。情けない気持ちで心まで持っていかれそうになる。

何かの拍子に、海や川に飛び込んでしまったら一巻の終わりとなるこの身体だ。溺れている君を助けてあげることもできない。だからどうか君よ、いつだって大地を踏みしめていてほしい。君って誰だ。

コロナの重い空気から逃れたく、見上げて歩きたくなる青の一面。見上げすぎて転ぶことのないよう、人それぞれの平穏な時間を祈りたい。

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