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【川柳】ため息の薄くなるまで 高い空

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 高校生のころ、京都の街を歩いた、空を見上げた。歴史上の人物も同じようにこの空を見上げたのかなと、想いを張り巡らせた。そして僕は京都の大学に通いたくなった▼どんな時代の、どんな場所にも、同じ色の空があって、その下を、ほんの少しだけ色の違う人たちが生きている。ひとつを争うことはあっても、いつかそれが笑いあえるようになるといい。憎しみを抱いて同じ時代を生きるのは、とても寂しい▼秋の空は高く、放てば、どんな懸念も澄んでしまいそう。見上げる空はひとつ、願うかたちもひとつ。

 ため息の薄くなるまで 高い空

(月刊ふあうすと 2012/10月号 裏表紙掲載句)