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社長と大喧嘩して、自分が社長をやることになった ~事務所移転に寄せて

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1月27日、事務所移転。たくさんの方からメッセージや花、お酒、お菓子などのお祝いをいただいた。激励をカタチにして伝えようとしてくださる、おひとりおひとりの気持ちが本当に嬉しくて有り難い。

その当時のことはほとんど書いたことがないのだけれど、僕がこの会社の経営者になった経緯は若気の至りの正義感である。前川さんの後を継いだ経営者に請われて一般社員として入社したものの、その社長のやり方がどうしても納得がいかない。2月に入社したばかりの二十代だった僕は、自分自身が社長をやりたいことを伝えて二代目に会社から出ていってもらい、7月から社長を務めることにした。飾らずに言えば、大喧嘩をして追い出したのだ。

二代目は一年前に前川さんの後を継いで、社長交代の挨拶を終えたばかり。一年前に社長になったばかりの人間が経営を退き、2月に入社したばかりの若僧が7月から代表を務める。誰が見てもお家騒動が起こっているのは明らかで、そんな会社を信頼して仕事を任せようと思うお客さんがいるはずがない。

結果、僕は、社長になってからしばらく、自分が社長になったことをひたすら隠蔽することにした。誰にその事実を伝えるでもなく、挨拶状を送ることもしない。当然のことながら、社長になった僕にお祝いをしてくださる方は一人もいなかった。

そんなスタートだった自分が、いま、こうして堂々と事務所の移転をアナウンスできるようになったこと。そして、それを祝福して激励してくださる方がこんなにも増えたということは感無量で、メッセージや贈っていただいたもののひとつひとつを眺めては、なんとか恩返しをしていきたいという気持ちでいっぱいになっている。感謝、ただ感謝。

ひとは、ひとからモノを買う

繰り返し言い続けていることの一つがこの言葉で、そこに想像力を働かせて売るのではなく選ばれるようになる仕組みを考え続けていきたいと思っている。自分たちが実践して結果を出したその仕組みを、今度はお客さんと共有していく。僕の行動指針は、マニュアルに学ぶのではなく、仮説や失敗の積み上げに自分たちの財産を見出すということだ。許された数がこれだけあるということは、つまり、それだけたくさんの失敗と財産があるということ。これをわかりやすい形にして還元していかなければ、僕はいつまでもお世話になった人たちに恩返しをすることはできない。具体的な手法を提供し、お客さんにとってリスクの少ない販促方法を共に取り組んでいく。リスク(コスト)とは何か、それはお金と時間と空間で、企業の大小に関わらず平等に与えられているのが「時間」である。時間の積み上げの先に結果が伴っていく方法を見える化し、そのPDCAのなかでお客さんの強みと差別化を形成していく。それが僕のやり方。

恩返しを抽象的な言葉で終わらせるのではなく、これからは具体的な行動で示していく。そのための環境の選択であり、リスタートだ。たくさんの想いを寄せていただいたこの場所で、足らずを埋め、足りるに感謝して、一日一日を大切に行動していきたいと思う。

すべての方に、感謝。