7日が経った。
放置された仕事のうち
絶体絶命だと思われていたものが
なんとか目途が立ちそうでほっとした。
女性メンバーふたりが連携を取り
完璧なホウレンソウをしてくれる。
お客さんへのメール対応も120点。
20年かけても実現しなかった雰囲気が
奇しくもこんな状況で叶っている。
あれこれ言ってしまうと、
自分に忖度が働いてしまうかもしれない。
影響力を出さないようにして
彼女たちが働きやすいようサポートする。
*
大阪へ。
街中にはたくさんの人がいる。
服を着て、
それぞれの居場所へと移動している。
彼はこんな当たり前を
いまどこで
どんな気持ちで眺めているのだろう
「大学受験の家庭教師をしてください」
「給料はいらないので
西端さんのところで働きたいです」
「お願いする割には小さい菓子折りだなあ」
“はじまり”の会話
感傷的になってしまったのは
君の名前の交差点を曲がったから
その先のお客さんは
君の幼馴染で、俺の教え子で
いまは立派な社長になって
俺たちに仕事を任せ続けてくれた
復帰した君のことを案じ
それでも託してくれた
のにね
いつかちゃんと謝れよ
*
もし戻ってきたら
また受け入れるんですか?
と聞かれる
ない
それはもう、ない
ただ
できれば刑事事件にはしたくない
ちゃんと仕事をして
ちゃんと返済をして
ちゃんと更生してほしい
それだけ
前科がついてしまえば
その年齢で再就職も難しいだろう
お金も返してもらわないと困る
それだけ
君のためもであり
俺のためでもある
俺の先にいる
すべての人たちのためでもあり
それは君自身がずっと
お世話になった人たちのことだ
君に与えてやれる
最後の機会を受け止めてほしい
二度目の社員失踪事件から7日:「君に与えてやれる最後の機会を受け止めてほしい」
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