2月後半から体重が減り始める
毎年そう
3~4kgほど減って、
去年の9月くらいの数値になった
実際に
その頃に戻れたらいいのにと思う
戻ったところでと問う自分もいる
春へ街の色が明るくなっていくのに
冬服の重さを脱いではいけないと
戒めるような気持ち
ご飯は食べているし
馬鹿な話だってするし
笑ってもいる
でも
そういう表情を見せると
不謹慎だと思われるんじゃないか
あとで何かがわかったとき
同じタイミングであなたはこんな風に
日常を過ごしていましたよね
そんな風に咎められるんじゃないか
未来
壁の向こうから石が飛んでくる
僕は罪人になって礫を受けている
そんな想像
そんな傷跡
*
失踪した人の手記はあっても
失踪された側の日々の記録はすくない
エリザベス・キューブラー=ロスが提唱した
「死の受容の5段階」という説がある
大きな病気を告げられた人は
・否認
・怒り
・取引
・抑うつ
・受容
という心理プロセスを経るというもの
書くことで自分を観察していると
似たような気持ちを行き来していることに
気付く
不安と希望の揺らぎ
止まない雨はないけれど
雨上がりのその日に
言葉の暴力が降り注ぐことだってある
一度目の失踪のときがそうだった。
「経営者である君がすべて悪い」
「責任をとって経営者をやめなさい」
「うちにもう出入りしないで」
「君はもう、外に出ないほうがいい」
信用を失って
でもずっと、失ってはいない顔をして
今日までをそれっぽく生きている
この雨雲の下で
この闇の先で
僕はどんな罪人の顔をして生きている?
鏡を見る
くたびれた自分が浮かぶ
*
失踪から10日が経った。
二週目。
半日、誰からも連絡がないと
もうすっかり仕事を干されてしまったのではと
不安になる
優しさゆえの距離感も
闇の彼方だと思ってしまう気持ちの変化
自分の望んでいるものが
よくわからない
—
死ぬ瞬間-死とその過程について
エリザベス・キューブラー・ロス
二度目の社員失踪事件から10日:「エリザベス・キューブラー=ロスの死の受容の5段階を思い出す、僕の冬服」
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