雑記

「あの人に頼んだら簡単にやってくれるから」にある、見えない幾年

「仕事の価値も分からずに無料でやらせるんじゃないよ」と憤っている人を見ると、それは価値をちゃんと伝えられていないあなたにも原因があるのではないかと思う。一方で「あの人に頼んだら簡単にやってくれるから」と言っている人を見ても、この人はあの人の簡単に出来るようになったまでの時間的な価値を想像しようとしないんだろうか、という気持ちになってしまう。

結局、誰がそれを言っているかということに左右される僕はまだ、好き嫌いの線の向こうとこちら側で価値を判断しているということなんだろう。都合良く線を跨いで、それっぽく論にして、自我を確立したような顔をしてる。

「これもきっとご縁」と自分に言い聞かせて頼まれごとを受け入れていたAさんに、僕は何も救いのアクションを起こすことが出来なかった。ここで声に出せば、ジョーカーは違う誰かに向けられていく。ならば、このなかで一番処理の速そうなAさんにお願いすることが妥当なように思われた。合理的な考え方、卑怯だったのは僕だ。

「仕事としてお願いするのなら、予算を組みませんか?」という一言を声に出せなかったことをとても後悔している。Aさんは笑顔で「どんな風に作り込んでいきましょうか?」と皆に話しかけていたから、この傷は余計に深い。