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ChageバンドMULTI MAXのDVDとWindy Roadの思い出 ~公園の坂を自転車で下りながら歌ったあの日

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ChageさんバンドMULTI MAXのライブDVDが発売開始。

MULTI MAX

CDショップ等での取り扱いはないということなので上記サイトからチェック&購入をお願いしたい。ライブの模様を伝えるyoutube動画とiTunesリンクはこちらから。

http://youtu.be/fQ2d5DRMPfg

http://youtu.be/jlYNfCb6MBU

全編デジタル・リマスター&リミックス!
当時VHSでは収録されなかった曲を含めた全曲収録!
さらに、Chageと村上啓介氏の副音声解説つき!
——自分の音楽のルーツを追求してみたい。MULTI MAX結成にいたる理由はいたってシンプルだった。新しい音楽に挑むのではなく、斬新さも先鋭さも必要のない、本当に自分が好きな音楽を追求する。つまり、Chageの音楽性が100%表現された音楽になるということ。そこでChageがこだわったのが、バンドというスタイル。メインボーカルの自分だけがフロントに立つのではなく、メンバーも同様に個性を発揮することで、楽曲やステージがより輝きを放つ。これはChageが幾度となくステージパフォーマンスをしてきたからこそ感じ得たことなのだろう。

C&Aのコンサートサポートバンドとして活動していたTHE ALPHAのメンバーだった村上啓介氏と、ヤマハ主催のオーディションで優勝し、ソロデビューをした女性ボーカリスト浅井ひろみ氏をメンバーに迎え結成されたMULTI MAX。この3人が奏でる音楽とはいったいどんなものなのか——。

今回リリースされるDVD2タイトルのうち、『CHAGE PRESENTS MULTI MAX MAXISM IN BUDOKAN』(1992年)では、村上氏の奏でる大胆で繊細なギターサウンド、浅井氏の艶のあるハイトーンボイス、そしてChageの温かみのある歌声が、ときにロックに、ときにバラードで聴くことができる。Chageと浅井氏が激しく客席をあおれば、村上氏はテンポ感のあるギターサウンドで合わせ、目で、耳で楽しませてくれる。さらに、それぞれのメインボーカル曲が散りばめられ、気がつくといつの間にかMULTI MAXの世界へと引き込まれていく。武道館という規模感を活かした、大人のエンターテインメント性にあふれたバンドスタイルのステージングが、Chageの音楽に対する愛と、それを表現することの面白さ、そしてなにより、お客さんと一緒に楽しむことの素晴らしさを感じさせてくれる。

『CHAGE presents MULTI MAX DOCUMENT&LIVE 1996-1997 177DAYS Oki doki!BOOTLEG』(1996-1997年)は2枚組で、Disc1は、アルバムのレコーディングやツアーはもちろん、イギリスのリバプールを訪れたときの様子など、177日間を密着したドキュメント映像が収められている。Disc2は、赤坂BLITZで行なわれたバースデーライブの模様を収録。ライブハウス会場ならではの熱気と、一体感のあるバンドサウンドを存分に感じることができる。そうかと思えば、セットチェンジをして、アコースティックライブを彷彿とさせるシンプルなスタイルへ。そしてふたたびロック全開のパフォーマンス。1ステージで様々なスタイルが披露できるのも、3人の個性が併せ持つ力だろう。これこそが、MULTI MAXの世界観である。また、特筆すべきはChageの歌唱法と声質。シーンごとに歌い方を変えるのは今も昔もChageのスタイルだけれど、やや嗄れた声が、ライブハウスの雰囲気とマッチしていて、これまでのChageの温かい歌声とは違い、より大人のロックに仕上がっている。

3人の個性が融合しながらも、それぞれの個性が際立つこのスタイルこそが、Chageのこだわりであり、MULTI MAXなのである。もはや言葉で説明する必要はないだろう。Chageが確かめたかった自分の音楽のルーツ。そのルーツがそのまま表現されたステージを、ぜひご堪能いただけたらと思う。また、今回は2タイトルともに、副音声が収録されている。『MAXISM』はChageのひとりしゃべり、『Oki doki!』は村上啓介氏との対談。自分たちのステージを見ながら、どんなことを語っているのか、こちらにもぜひご注目を。

文:西澤祐介

引用元:MULTI MAX

僕がCHAGE&ASKAという本流を心から愛するようになるまではいくつもの支流があって、MULTI MAXというバンドはその一つだ。中学生のときに取っていた(まったくやらなかったが)進研ゼミの卒業記念品として送られてきたCDにWindy Roadという曲が収録されていて、はじめて聞いたときに号泣したのを覚えている。

ライブでは紙飛行機が飛び交って、みんなが一つになる。スケール感のある世界観が大好きで、まだ十代だった僕は、明石公園の坂を自転車で下りながらこの曲を何度も歌った。しんどいとき、勇気の必要なとき、今でも僕はWindy Roadを再生して歌う。さすがに自転車で行う野外ライブは自粛して、車のなかでChageさんになりきる程度ではあるけれど。

詩を書くと、空や風になりたがる。手法としては陳腐でも、存在としてはそれだけ大きなものであるということ。特にWindy Roadという曲は僕に強い影響力を与え続けてくれた。リンク先で是非、試聴してみてほしい。

8月25日はCHAGE&ASKAのデビュー記念日。去年、本来ならば僕は、復活ライブの行われる代々木スタジアムにいるはずだった。残念ながらしばらく未来にその夢は持ち越しになってしまったけれど、これまでの楽曲やこのDVDと音源を楽しみながら、そのときを静かに待ちたいと思う。僕はずっと、変わらないでいようと思う。