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コンサルの知識よりも「中小企業の経営者はカタカナが嫌い」という想像力を大事にしたい

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統計から未来を予測する技術も素晴らしいけれど、想像でひとの気持ちを読むことも否定されるようなことだとは思わない。

知識や情報を伝達するということは、たしかに商売になる。ただ、売って終わってしまってはいけない。水にも似た透明なそれらを売ることを生業とするのであれば、その商品を手にすることの期待を抱かせなければいけないし、その商品を手にした人の変化を明示して伝え続けていく必要がある。

引用元:実業の反対語である虚業という概念について | 川柳をこよなく愛する明石のタコ

コンサルを生業とする人にも、カタカナを多用する人とカタカナを使わずに伝えようとする人たちがいる。これはとても失礼な話かもしれないけれど、「二代目」や「おぼっちゃん」の多い僕たち中小企業の経営者にはその小難しい概念や知識にアレルギー反応を示す人が多いように思う(=僕たち零細企業の社長はそれほど賢くない)。どれだけ大きな会社で実績を積んできたのか、どれほどのインプットを重ねてきたのかは知らないが、その「虚」を中小企業の経営者の「血肉」にするためには、言葉を置き換えて伝えなければ相手の腑に落ちないという想像力が必要であると考えた方が良いだろう。

「ターゲットを決めて勝負をしなければ」と語るコンサルの人が、中小企業の人相手にカタカナを使っているのを見かけるといつもそれを思う。一方、同じ概念を「たとえば」という言葉で説明している人は素直に感心する。

書いている文章の意図が相手に伝わらないときに使いたい、「たとえば」の力。 | コトバノ

僕はやっぱり経営者の立場でモノを考えるので、僕たちのチカラになる存在には頑張ってほしいと思うし、僕たちを食い物にしようとする対象には嫌悪感を抱く。また、起業して間もない人は経営用語に敏感になりやすく、そういったカタカナを多用する人を神格化し、カタカナを理解しない経営者たちをダメだと決めつける傾向が強いような気がするが、仕事はコンサル対象にするのではなく中小企業で働く人たちを相手に行うものであるということを忘れず、冷静な選択をしてほしいと願う。

カタカナの数よりも、泥の味をたくさん知っている人のほうが強いと思う僕は古いタイプの経営者なのかもしれないけれど。