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駐車場のおじさんとした約束に、僕はまるでメロスになったようだよ

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ずっと続いている目の痒み、クシャミ。我慢出来なくて掻いてばかりいると、とうとう瞼が腫れてきてしまった。

土曜日の朝の眼医者さんは大人気。駐車場には管理人のおじさんがいて停める場所がないことを僕に告げる。

「停める場所、ないですか」
「ないんだよー」
「僕の目の痒みも止まらなくて」
「そうなのか」
「がんか」
「ん?」
「いや、なんでもないです」

途方に暮れてしばらく困った顔を浮かべてみる。するとおじさんは、僕に優しい声で耳打ちしてくれた。

「治療が終わったらすぐに帰ってきてくれるかい?」
「勿論ですよ」
「だったら、ここに停めたらいい」
「医院だけに?」
「ん?」
「いや、ほんとにいいんですか?」
「君を信じて待っているとも」

そう言っておじさんは、本来関係者だけが停めていい場所に僕の車を誘導してくれた。僕はそう、いま、メロスになったんだ。

待合室の行列、呼ばれるまでのまだまだ。

だけど僕は必ず帰る、おじさんのところに。「もう痒みはなくなりましたから」その喜びを一番に伝えるために。おじさんの優しさに報いるために。

「ちゃんと帰ってきてくれたんだね」
「それが僕のeye(愛)ですから」