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電話で終わらせてしまった10年以上の時間 ~想うのも勇気、背けないのも勇気

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ピアノのレッスンに20年以上通い続けた。

そのうちの半分以上はずっと同じ先生に師事していたのに、大学生になるころはもう、レッスンもさぼりがちになってしまい、最後には「音楽の方向性が違ってきたので」というバンドの解散理由みたいなことを電話で告げて終わりにしてしまったことをずっと悔いている。顔を見ることなく、10年以上の時間を僕は電話で終わらせてしまったのだ。

最近になってその先生の家の前を通りかかると、どうやら引っ越しをされてしまったようで、今は連絡先もわからない。本気になって調べればわかるのだろうけれど、いまさら、何をどんな風に伝えればいいのだろうという気持ちもあって敷居が高い。そして多分、これを書いているということは「ちゃんと謝りに行ったら?」と、誰かから背中を押されたがっている自分がいるのだと思う。背中を押されなければ動かない僕も、本当に卑怯だなぁと思うのだけれど。

やりたいこと、実現したいことはいくつもある。ただ、それと同じくらいにやり残して心をチクチクしていることもあって、このままではいけないという警鐘がずっと心に鳴り続けている。後悔は時間が経てば経つほど膿を伴う腫れのような痛みに変わっていくものだ。

未来を想うときに、どれだけ、僕は残してきたものに目を背けずにいられるのだろう。想うのも勇気、また、背けないことも勇気なのだなぁとよく考えるようになった。