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売ると選ばれるの違い ~商売は一日にして成らず

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たとえばうどん屋さんが、「うちのうどんはオススメですよ」と毎日ネットに書いていたとする。

足を運んでほしくて伝え続けていたのだとしても、読んでいる側は「読まされている」のであり「売り込まれている」わけで、結果、あの人は宣伝ばかりをする人だというレッテルを貼られてしまうことになる。商売は一日にして成らず、売るのではなく選ばれることをしなければならない、売りに走ってはならないと僕はメンバーに、自分のお客さんたちにいつもそれを伝え続けている。

とはいえ、あまりに遠すぎることばかりを書いていても「あの人は何屋さんなのだろう」という話になってしまう。うどん屋さんの例でいえば「今日はパスタを食べにきてみた」「たまには蕎麦も食べてみると発見がある」「新しいラーメン屋さんが出来ていた!」など、関連のある世界をそれとなく表現すれば、やっぱりあの人は麺のことが好きなんだ、さすがはうどん屋さんだな、という風に伝わるようになる。その道に自分がいる理由が伝わるような相性のいい単語やフレーズを用いて雰囲気を醸し出すことは有用だ。

売られるから買うのではなく、この人から納得して買いたいと思うお客さんの気持ちを想像する。そうやって選ばれ続けていく先に結果がついてくることを楽しいと思うから、僕はビジネスではなく、商売という言葉にこだわり続けたいのである。