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生き延びるということ 〜メトロ神戸の地下道に住む鳥の話

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うちの会社の最寄である新開地駅から高速神戸駅まではメトロ神戸と呼ばれる地下道で繋がっている。隣駅といっても400m程度しか離れておらず、この区間だけを乗車する人は滅多にいない。

この地下道を歩いていると、時々、鳥の鳴き声が聞こえてくる。最初は空耳かと思っていたが、どうやら雨や寒さを避けて地下道に巣を作る賢い子がいるようだ。

人の流れに関せず、特別に警戒する風でもなく鳴き声を聞かせてくれるのだから、ここでの生活も長いのかもしれない。生きる場所の選び方もそれぞれ。彼は(彼女は)最初、どうやってここに辿り着き、ここなら大丈夫だと判断したのだろう。聞いてみたい気がするが叶わない。

詳しく書いている人がいるかもしれないと「メトロ神戸 鳥」で検索してみたら、焼き鳥屋さんがヒットした。そりゃあそうだと納得をする。これもまた、生き方で、ここでならやっていけると判断した誰かがいるということだ。こっちの主人になら、そのあたりの経緯も教えてもらえそうな気がする。

生き方はそれぞれ。鳥を見て、鳥のことを調べて、鳥を食べる人たちのことにまで思いは巡る。生きていくってのは大変なことで、大変なことだからこそ、分かち合いたいとも思うのだろう。

鳥は鳴いて仲間を呼んだ。僕たちは泣いたり笑ったりして、仲間の距離を確かめ合う。生きる、生きている、巡る。空ばかりが鳥の場所だと決め込むのは、生き方の選択を狭めてしまうことなのだと思った。

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