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甘いお菓子の夢は打ち砕かれて。

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『相棒』。

この映画に限らず、最近、映画を見ていて感じることは、2時間や2時間半という
限られた時間のなかで、伏線を敷いて、紐解くように結末に向かっていくのは、
やっぱりいかにも、「しんどい」ように思えてしまうこと。

スポンサーや出演者、いろんなしがらみ・バランスも考えなければいけないならば、
それはより一層難しい問題になってくるのだろうね。

姫路菓子博』。

これは、もう、行くだけ時間の無駄だった。

人が多くて待ち時間が長いというのもそうだけれど、展示されている内容や展示の
仕方自体に問題が有り過ぎるように思えた。

たとえば、和菓子の職人(匠)たちが、その技術でもって、花鳥風月な作品の
数々を展示しているのだけれど、事前に「横の連絡」が徹底されていなかったの
だろう。どの作品も、精巧に作られすぎた「花鳥風月ばかり」で、食傷気味になる。

日本全国のお菓子の展示については、お菓子を展示しているというよりは、お菓子の
パッケージや包装の展示展になってしまっていた。勿論、試食の類などは一切なく、
通り抜けた先にある販売コーナーでは、全都道府県のお菓子が何の特長紹介もなく
売られてしまっていた。なぜこの地域はこのお菓子で、かつ、それがどんな味なり
特長なりを持っているという点が、一切関連付けられていなかった。
サービスエリアやデパート地下の販売コーナーであれば「なるほど、買おう」という
気持ちになるのに対して、菓子博の場合は「せっかく来たのだし…」という消極的な
姿勢でしか買い物をする気になれない。

姫路駅から菓子博会場への動線についても工夫の余地があったのでは?
目立つ経路(矢印)に従って歩くと、動物園を通り抜けて、いわゆるメインゲートを
通らずに横手の入り口から入場するような形になってしまい、そのあたりにある
我が兵庫県をアピールするパビリオンへの呼び込みが甘い形になってしまっていた。

各パビリオンの待ち時間は、軒並み1~3時間以上。
来場者数も多く、警備の関係もある以上、それは仕方のないことだと思うが、行列を
作るのが、元々美術館前の芝生広場だったりして、その列の並びのところはすっかり
芝生が禿げ上がってしまっているのが心苦しい感じがした。また、単に土のところで
列を作るとしても、砂ぼこりが舞いすぎて、鼻や喉がすぐに苦しくなる。これから
行く人は花粉症でなくてもメガネやマスク必携であると言えよう。少しだけでも水を
撒いたり、マットのようなものを敷くような配慮が考えられても良かったのかも
しれない。

行政が主体となって「来場者を増やそう」「そのために出展・出品数を増やそう」
という、「数」ばかりを意識した負の連鎖の目立つ博覧会であったのが残念だった。
場内の案内程度のカタログではなく、詳細までをも含めたパンフレットのような
もので来場者に内容を徹底させ、そのスケール・ディティールの細やかさを
「百聞は一見にしかず」という姿勢で伝えようとすることが、こういった規模の
展示会では行われるべきではないだろうか。

個人的には、全国のお菓子を並べてあるコーナーで、各都道府県の観光資源を
アピールするポスターがとても気に入って、お菓子はほとんど眺めることなく、
そこに表現されている文字(コピー)ばかりを夢中で撮影した。

残念ながらお菓子そのものについては完全に期待を裏切るものではあったけれど、
各種パッケージ(包装)や、コピーの勉強になったという点、行政が主導する
イベントの企業や地域との兼ね合い(バランス)を体感出来たという点において、
投資額程度の価値はあったのではないかと言い聞かせることにしておく。

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