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旧事務所の大掃除と、火葬に向かった桜の葬列と。

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旧事務所の大掃除。

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彼らは今、それぞれに新しい命を授かり、その誕生に向けて仕事に家族のケアにと一生懸命頑張ってくれている。自分自身が働く父の背中を見て育ったので、彼らの働く姿も子どもたちに見てもらいたいというのは理想の一つ。新しい事務所の計画を立てたときから、子どもたちはどんな風にその姿を眺めるだろうとイメージを膨らませてきた。生き生きとお客さんと話す姿、ありがとうとありがとうを交換しあう商売の本来の姿。働くことの尊さを背中から感じ取ってくれたら、こんなに嬉しいことはない。

父の葬式を終えて、火葬へと向かう車列。わがままを言って、自分の会社の前を通ってもらったことを思い出した。「ここで働いてるねん、頑張ってるんやで。見守っておいてな」 ― さて、事務所を引っ越しても、父はこれまで通り僕を支え続けてくれるのだろうか。

「事務所移転したら、親父、わからなくなるかなぁ」
「大丈夫ですよ、どこにいても、きっと見てくれてますよ」

ほんの少し、寂しさを声に出したら、こんな風に答えてくれるメンバーがいる。僕は仲間と仲間の家族をちゃんと守れるよう、この新しい場所でも親父に誇れる商売を貫いていきたいと改めて思った。ありがとう。