川柳をこよなく愛する明石のタコ

神戸の印刷会社、前川企画印刷の代表ばたがお届けしております

雑記

洒落た食器を売るお店に来て君は、どんな料理が並ぶのを想像して笑ったんだろう

投稿日:

朝までは元気だった人が、自ら命を閉じて、夕方。

警察の検視が終わって落ち着きを取り戻した場所に向かうと、何事もなかったかのように人々は行き交い、家路を急いでいる。残留思念のようなものを感じ取った気がして、絶つ瞬間のそれではなく、なんの不安もなく笑ってこの道を歩いていたのであろう本人の行動を追体験する。ある瞬間から苦悩は心を支配し始めて、とうとう、その人は逃げることができなくなってしまった。残された人たちは涙も忘れている。きっとそれくらい、その瞬間はなんの前触れもなくやってきたのだろうと思った。

あっちとこっちを分ける線は、子どもの頃に考えていたよりも身近にあるような気がする。ただ、まだしばらくこっちを過ごす人間は、あっちへ行く命の渡り方にたくさんの意味を重ねてしまう。そうしてその意味は、ときどき、こっち側で生きる人間に、黒くて重たい気体になってダメージを与え続ける。だから僕は、そんな渡り方をした人への告別は行わないことに決めている。君が抱えた大きな傷を、もっと大きくしてこっちに残してどうする。どんな居心地で、そっちからこっちを見てる。

君のいた場所から南にくだって、角を曲がる。洒落た食器を売るお店に来て君は、どんな料理が並ぶのを想像して笑ったんだろう。

Google

Google

-雑記

執筆者:

関連記事

no image

ふわっと

「西端さんのあんな感じの文章でお願いしたいんですよ」 「どんな感じ?」 「そうですね、ふわっとした感じの」 「ぐわっと?」 「いえ、ふわっと」 「しゅわっと?」 「ちゃんと考えてくれてます?」 「だか …

生まれて初めてのエレベーター。

シンドラーさんの奴です。 ドキドキしちゃうなぁ。 @神戸駅前ハローワーク

no image

一年に2度、タミフルさんのお世話になる男の憂鬱。

明け方、意識混濁。 救急病院に飛んで行って、その後再びかかりつけの病院へ。その場で、新型インフルエンザが予想されるという診断。 「うちの病院で、大人は初めてだよー」 記録更新にガッツポーズを見せてみる …

no image

川柳マガジンと、オリンピックメダリストと。

川柳マガジンを発刊されている新葉館出版さんにお邪魔してきました。 今度は朝から来て、夜まで引き籠もらせて貰おうと思うほどの川柳本の数々。こそっと持って帰ろうかと思いましたが、魅力的な本が多すぎて、鞄の …

no image

怒られた夜の先に、変化があってほしいと。

喜怒哀楽の感情の中で、一番パワーを使うのは「怒」なんだろうと思う。 怒られるのも嫌、怒るのも嫌。反省という言葉を上手に使ったところで、やっぱり、その後には独特の気まずさが残る。 僕はいつも怒らないこと …

Google


↑成人式や卒業式、入学式に似合う髪飾り特集はこちら
(コトバノ監修/【ギフトにも最適、桐箱付】)
このブログの執筆者であり前川企画印刷の代表である西端がフォト詩集をiPhoneアプリで出しました。知識ではなく、感性に訴えかける写真と言葉たち。もし良かったら、もし良かったら…
follow us in feedly