川柳をこよなく愛する明石のタコ

神戸の印刷会社、前川企画印刷の代表ばたがお届けしております

業務日記

使い古された言葉をテクニックとして使うことの危惧 ~「好評」という言葉の与える印象

投稿日:2017年11月5日 更新日:

ボロボロになったのぼりが売れ残った土地に立っている。冷たい風に吹かれて、かろうじて「好評分譲中」という文字を読むことができた。

とあるアーティストのコンサートチケットの追加販売についてメールが届いた。2か月前に販売開始となったはずのコンサートだが、どうやら「好評なので」席を追加したのだそうだ。

僕たちは、もう「好評」という言葉を鵜呑みにするほど馬鹿ではなくなった。それでも、伝えたい側は安易に「お得」や「好評」という使い古された言葉を用いて、僕たちの心に触れていこうとする。そして「景気が良くなっただなんて嘘だよ、商売は厳しいよ」という経営者の「実態っぽい」苦悩を耳にすることになる。

いいものが当たり前に世の中に存在するようになり、いいものを作るだけで売れる時代ではなくなった。同様に、ありとあらゆる情報と表現の洪水にさらされていて、昔と同じままでは誰も反応してくれないようになった。分かっているはずなのに、まだ残る、本当に小さなパイだけを目指して食らいついていこうとする。だから競争に負けて、商売の舞台から降りていくことになるのだが、その原因を自分の中に見つけられず、相手のせいにしようとしてしまう。言葉を選ぶということは相手の心を想像するということなのに、その相手に橋を架けようとする瞬間の言葉選びを疎かにして商売の厳しさを口にしたとて、それは違うのではないかな、と僕はつい、考えてしまう。

細かいことを言うよね、と僕を笑う人がいる。それでも僕は、その細かいほんの違いが51:49となって、選ばれ、残っていくために必要なことなのではないかと確信をしている。それが僕の仕事。その違いを伝え続けることが使命だし、その違いを価値として認めてくれる人だけが、これからの自分のお客さんになっていくのだろうと思う。

Google

Google

-業務日記

執筆者:

関連記事

no image

相手が思う通りに動いてくれないときは、相手の話を箇条書きにする習慣を持つ

我慢できないこともあるし、変化してほしいと思うこともある。そうして「ダメだよそんなんじゃ」と口走れば後の祭り。売り言葉と買い言葉の応酬が続いて、もう議論にはならなくなってしまう。 青が好きな人もいれば …

no image

モノの終わりと始まりに。

もう営業を止めてしまったような、古い店舗を目にすると。 でも、このお店にも、「オープン」したばかりの頃があったんだよな。 店主はその時、よし頑張るぞ、という決意で初めてのお客さんを待ったのだろう。 そ …

no image

お腹を空かせている人と寿司職人と僕と親切と無責任の話

お腹を空かせている人がいたとしましょう。 僕はその人のために、友だちの寿司職人を呼ぶのです。「お腹が空いて困っているんだ。何か握ってあげてよ」 そうしてお腹が満ちたときに、僕は言います。「じゃ、支払い …

no image

書くということは視点のトレーニングになる ~プラス言葉クイズに挑戦を

自分もブログを継続的に書いていけるようになりたい、川柳や短歌という文芸に挑戦してみたいので相談に乗ってほしいというご依頼をいただくことが増えた。 「書く」ということは視点のトレーニングになると思ってい …

no image

商売繁盛をさせたい川柳家、コピーライター、社長業。

本日アップした、ふあうすと2007年6月号に掲載して貰った川柳と、8月号で掲載して貰う予定の川柳は、少しだけ意識して、「心の領域を違う角度から表現する」ということに挑戦してみました。 文芸を趣味とする …

Google


↑成人式や卒業式、入学式に似合う髪飾り特集はこちら
(コトバノ監修/【ギフトにも最適、桐箱付】)
このブログの執筆者であり前川企画印刷の代表である西端がフォト詩集をiPhoneアプリで出しました。知識ではなく、感性に訴えかける写真と言葉たち。もし良かったら、もし良かったら…
follow us in feedly