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デザイナーズ名刺の功罪 ~ 名刺が印象的であればあるほど。

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業績が悪くて正社員のリストラが続いている。自分たちの雇用もいつどうなるかわからないという話を、あるパート勤務の方からうかがった。翌日の朝刊、兵庫の新社長というコーナーにその社長のインタビュー。業績の悪い時だからこそ、発信という手段を通じてのテコ入れも大事。ただ、どうしてもこのタイミングなので、内容に白々しさを感じてしまう。脇の甘さ。内が固まらないうちに外を目指した水は濁った色になってしまうということを知る。うちの会社も同じこと。外からの期待を誘っておいて、それに応じられるだけの十分なチームワークを発揮出来ていない。表現や発信は大切でも、それが嘘となってしまっては詐欺以外の何物でもない。自戒。

「聞く力」「質問する力」に関する書籍やセミナーが増えてきたように思う。最終的に「聴く能力」は「聴かれる能力」に昇華させるべきで、いずれそんな考え方も浸透していくのではないか。

「こんな名刺を作ってほしい」とユニークな名刺が持ち込まれることの多いうちの会社。すこし意地悪して「で、この名刺の方はどんな人物なんですか?」と問うと、名刺ばかりが印象に残ったことがわかる答えが返ってくる。名刺が主役になってしまっては本末転倒であるのだが、さて。名刺をきっかけにして、どんな会話をして、どんな質問を「されて」、相手の心に自分の事業と人柄を心に留めることが出来たか。《台本名刺》というサービス名で、名刺のデザインや内容に時間とお金をかけるのではなく、名刺を交換するときのトークの組み立てを一緒に考えるという取組みを行っている。ひとはひとからモノを買う。「ひとを心に留める」のが名刺の役割。デザインは単なる手段であることを、これまで1000人以上の名刺制作に関わってきた立場だからこそ記しておきたい。そして一つだけ真理を。

「書いてあれば、もう、聞く必要はない」