川柳をこよなく愛する明石のタコ

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懐かしくて優しい景色が音楽と詞でよみがえる、熊木杏里さんの歌声に昔へ運ばれる

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シンガーソングライター熊木杏里さんの歌声に惹かれて、最近はベストアルバムを聴きながら仕事をしていることが多い。ここで試聴できるので、まずはその雰囲気と歌声を是非。

3年B組金八先生の挿入歌や資生堂のCMでも採用されている熊木杏里さんの楽曲。透明な歌声とメロディは耳から心にすっと溶け込んできて、懐かしい気持ちにさせてくれる言葉のひとつひとつは全身にまで優しい。CHAGE&ASKAや松山千春さんにしてもそうだけれど、どうやら僕はルーツがフォークソングである人の楽曲に心惹かれることが多いらしい。熊木杏里さんの尊敬するアーティストは井上陽水さんだという。

夏の終わり、夕暮れ、西へ向かって走らせる車。道路沿いにある海の家の看板が黄金色に寂しそうにしているタイミングでラジオから流れてきたのが熊木杏里さんの『夏蝉』という曲だった。

http://youtu.be/b2HvM2NqwX8

夏が来れば庭先には
水まきしてできた虹のプール

隣の家々は 無限のジャングル 赤い実をとって
自転車に乗せた ただいまが今はもう言えない

夏蝉 / 熊木杏里

夏の終わりだとか、幼少の頃の「みんなそこにいて、あの建物がここにあって」の記憶は、いつの間にか遠く遠くへ歩き始めてしまう。8月の記憶に愛犬との別離がある僕は、特にこの時期特有の切なさに襲われてしまうことが多く、「在ったのに、もう、ないもの」への情念が強くなる。

8月の20日を過ぎるころ、小さな秋の気配を周囲に感じ始めると。「もうちょっと頑張ったら、涼しくなったのに。そしたら、もう少し長く一緒に居られたかな?その分だけ、病気で苦しんだかな? どっちが良かったのかな??」そんな自問自答を、毎年してしまいます。

引用元:かけがえのない命に会いに行く。 | 川柳をこよなく愛する明石のタコ

ラジオから流れる夏蝉は僕を、今よりはもう少し擦れていなかったときの自分へと導いてくれた。切ないという感情は男らしくないという意見もあるかもしれない、それでも、切ないとはっきり言える自分は心を洗濯しているのだと思っている。少し休めば、次の景色に進んでいける。誰だってそういうことはあるだろうし、僕にとってそれが、昔へ運んでくれた熊木杏里さんの楽曲だったということだ。

夏の終わり、夕暮れ、西へ向かって走らせていた車。しばらく停めて、聴き入って、そしてまた次の目的地へと向かう。そのほんの数分に、かつての存在に触れた僕はより頑張ることが出来たのだよ、というお話なわけで。

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