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日記 2025/5/23 社員失踪事件から一年、いま、思うこと

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一年前の今日、役員(社員)が就業時間中に失踪した。

詳しい状況を知り得ない状態でその事実を告知するわけにもいかず、最初は「体調不良でお休みをいただいています」なんて誤魔化していたけれど、それも限界がある。

やがてすべての方に事情をお伝えしたところ、お見舞いと激励の言葉をたくさんいただいた。一方で、憶測による誹謗中傷もあり、それらを原因として多くの信用と仕事も失ってしまった。

警察やご家族の方々と連絡を取り合う毎日。ろくに眠れなかった。海難事故があって、ヘリコプターが一晩中近所の海をライトで照らしている。どうかどうか違いますようにと、世界中の神さまに祈る夜もあった。

思いつく限り、すべての公園を車で探してまわった。仕事をしつつ、捜索もする。それも限界があるので、お金を使って探偵会社に捜索も依頼した。

▼死にたいと言った父の気持ちと、生きていけるという自負と

自分の父が失踪したときも、あちこちの公園を探してまわった。夜中の無人駅を覗いてまわったりもしたことを思い出した。彼には何度か、自分の父の話をしたことがある。なのにまた、同じ辛い気持ちをさせるんだろうかと腹立たしく、悲しくもなった。

失踪から10日ほどが経って、見つかったと夜中に連絡があった。
警察に保護された彼を迎え入れ、最初は「おかえり」と言って、「なんかお土産ないのか?」と話したような記憶がある。朝まで明石の大蔵海岸で語り合ったよなぁ。

「もう一度チャンスをください」

彼はそう、頭を下げた。
人は過ちを犯す。
赦すこともまた人間の務めだと思った。

ごたごたの2週間。決算直前に、である。
おかげで経営者になって初めての赤字を出してしまった。

「おまえのせいで赤字になったんじゃーーー」

なんて今では冗談で(本気で)話したりもするけれど、復職して元気に頑張っている様子には安堵もする。これからもポンコツっぷりをたくさんの人にいじられ、助けられて生きていってほしいと心から願う。

心配をされ、そして励ましてくれる人がいるというのは、それだけでもう、存在している価値があるということだ。

有り難きこと、だから、ありがとうという言葉がある。

命あればこそ。
生きていてくれてよかった。

有り難きありがとうに念を込めて、一年後の今の気持ちを綴った。

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