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二度目の社員失踪事件から11日:「社員の誕生日に敗戦処理をさせる経営者、珈琲馬鹿に泣かされる」

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澤井の誕生日

なのに敗戦処理のようなことをさせて
心を疲弊させている

経営者の仕事は
関わる人全員を幸せにすることなのに

自分の判断ミスで
こんなに重たい道を歩ませていること

一度目の失踪のとき
彼を復職させていなければ
今はどんな風になっていたんだろう

✳︎

彼に頼んでおいた公金入金の書類が
封も開けずに放置されていた

銀行に行ってその処理をしていると
急に涙が溢れ出してびっくりした

真横にいる行員の方も戸惑っていた

何か書こうとペンを握ると震えたり
空気の壁を押して歩くような
ふわふわとした足取りを自覚したり

経営者なんだから
男なんだから
いい年齢なんだから

だからしっかりしないと

そう思えば思うほど
ひびの入った小さな器が
不安定な泥の丘の上に置かれて
風に吹かれ始める

コトン

彼のスマホは電源を切られたままだ

電話をしても繋がらない人たちが
こちらに連絡を向けてくださる

「また飛んだ?」

開口一番そんな風に言われて
君は飛行機やロケットにでもなったつもりか

滑走路にはごつごつとした岩が残されていて
僕たちは空に憧れながらも
ひとつひとつ
それを拾う作業に追われている

目的地なんて見えやしない

✳︎

一度目の失踪のときと大きく異なるのは

「がんばって」
と励まされることが減ったことだ

そりゃそうか、と思う
頑張れという言葉は時々、こころに重たい

一方でそれは
信用を失い
今後の仕事を失ったことも意味する

ブロックのように積みあがった未来が
冬の寒さに溶けていく

それはとても不思議で
だけど納得のいく感覚でもある

弱った自分の投稿を見て
FIST BUMP COFFEE ROASTERY
わざわざ珈琲豆を差し入れしてくれた

神戸市西区、玉津インターの近くで
珈琲豆の焙煎・販売をしている彼です

馬鹿なんです
そんなことわざわざしないでいいのに

珈琲馬鹿でもあるんです
だからお店覗いてやってください
ええ雰囲気してるんです

ほんと馬鹿
ひとを泣かせるんじゃない
馬鹿

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