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三方よしの関係で「搾る」のではなく「永続」させる ~リストラなしの「年輪経営」/塚越寛

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目に見える商品も目に見ることのできないサービスも、より良い品質のものをお客さんに提供するために協力会社さんのチカラは必要不可欠だ。

神戸の前川企画印刷では、協力会社さんのことを「業者」「下請け」と呼ぶことを固く禁じている。お客さんとの関係も水平なものであれば、自分たちの事業を構成するひとつひとつの取引先もすべて水平で対等な位置にある。僕たち自身も「業者」と呼ばれることにとても寂しい想いをすることがある、ならば、まずは自分たちから水平であることの意識をしっかりと持たなければならない。

商売の基本は、「売り手」と「買い手」が対等であることです。私たちも利益を得ますが、相手も利益を得られないといけないわけです。自社の利益を優先して考えれば、相手先を搾りに搾るということになるかも知れませんが、そんな関係は長続きしません。当社は、「利益」ではなく、「永続」に価値を見出そうとする企業です。だから一時の利益のために、良好な仕入先を失うような愚かな真似は犯したくありません。

引用:リストラなしの「年輪経営」

相手のチカラを借りるということは相手がこれまでに積み上げたすべての時間に敬意を表すということである。それをベースとして自分たちの価値を加えたものが、自分たちも取引先も永続していくことのできる適正価格。適正価格をお客様に満足していただくためには、僕たちは、提案力やデザイン力、コピーライティングといいったすべての表現力にもっともっと磨きをかけていかなければならない。お客さんのお客さんは誰であるかを想像しなければならない。

いま、目の前にいる人は、時間という透明な高さの椅子に座っていることを思い浮かべる。それが相手に対する敬意であって、僕たちはその高さに価値を認めなければならない。

引用元:ビジネスの本流には「対価」、商売の根底には「恩義」が流れている ~時間という透明な椅子 | 川柳をこよなく愛する明石のタコ

僕たちが透明な椅子に敬意を示していくように、僕たちの時間にも価値を認めてもらえるようになりたい。共存共栄、豊かさとは金銭的な意味合いだけではなく、相互に作用しあう人間関係があってのものだと痛感している。

もちろん、馴れ合いになってしまってはいけないし、結果的に自分たちのお客さんに対して不当な上乗せを強いるような形になってしまっても良くない。適正な利潤の範囲内でより安くお客さんに商品とサービスを提供したいと思うのは商売人の常であって、経営分析を行うなかで見えてきたいくつかの綻びについては厳しい態度で臨むつもりでいる。気付かれないだろうという思惑が見えてしまうのは、やっぱりとても寂しいことだ。