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ブランディングに関する講演を聞くよりも、商店街を歩く人たちの話に耳を傾けてみること

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先日ブランディングに関する講演をしてほしいと依頼を受けた。

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ブランドや企業の価値なんてものはお客様が決めるものだと思っているし、意図して創り出そうとする虚像は打算的で下心が見え隠れする。芯を決めて誠実に取り組み続けた結果のお客様の反応がブランディングであって、座学の先に幸せになるお客さんやお客さんのお客さんの姿がどうにも見えにくい。妖怪ウォッチと同じで、ブランディングという知識を生業としたい人と、ブランディングという響きに期待を抱く層の一過性の流行なのかなという気がしている。

「SEO対策をいかがですか?」という営業の電話に「SEOが得意なら、どうして電話営業をする必要があるの?」と問い返すのは当然のことで、ブランドの確立されている企業ならば「ブランディングとは」なんてことは決して語らない。ブランディングを手段とする人にヒントを求めるのか、ブランドを確立している会社に答えを求めるのか。その時点で、もう、企業価値創造のスタートラインには大きな差が生まれているのではないだろうか。

さて、ブランディングに関する講演依頼を断った僕がお伝えしたことは一つ。

「どこの商店街でもいいです、その商店街を歩いている人たちにインタビューしてみてください。この商店街で人気のあるお店はどこですか。どうしてそのお店は人気があるのですか。それを繰り返し繰り返しやってみてください。僕みたいな人間の話を聞くよりも、お店の良さをちゃんと認識している人たちに耳を傾けて理由を考える。その積み重ねの方が有益ですよ」

そして、道行く人たちに自分の会社やお店がその対象として答えてもらえるようになることが、商売をしていくことの本筋なのではないかなと思っている。企業やお店の価値はお客様が決めるもの。利はあとに、想いはさきに。カタカナに揺れるよりも僕は、商売人として生きていけるようでありたい。