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詩を書くようになったきっかけ

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不純な動機で詩を書くようになった。

小学生だったころ、毎日、大学ノートに一ページだけ「自主勉強」をすることが先生によって課せられた。クラスメートたちの多くは計算問題を解いたり漢字を書いていたようだが、僕は昔もいまも、真面目に作業をすることが大の苦手だ。行間を埋める作業がどうにも苦痛で、それならば、とノートに大きな文字で詩を書くようになったのがきっかけである。

詩作は作文とは違う。何かを説明するのではなく、心に浮かんだものを抽象的な言葉で表現すれば良い。乱暴な言い方をすれば、「机の上に鉛筆がある」という事実を「心を投影する道具を前にして、僕は目を瞑ってしばらくを過ごす」と書けば、それが詩として評価されるのである。朝に自由勉強ノートと称されたそれを提出すると、先生は教室の後ろの黒板にそれを書き写してくれた。苦痛から逃れたくてやったことが、たまたま評価されて、僕は詩を書き続けるようになったというのが実際のところなのである。

「すべてを伝えずに、読み手に想像してもらう」という表現の仕方は、そのまま、コピーライターの仕事に応用できるようになった。僕の言葉のルーツはASKAさんだが、不純な動機で始めた習慣を先生が評価してくれなければ、今ごろはプロ野球選手になっていたかもしれないなぁと考えることがある。

想像は自由だ。