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亡父の誕生日。玉置浩二さんの「純情」を聞きながら、神戸元町通商店街を歩いた日々を思い出す。

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明日(14日)は父の誕生日だな、と思いながら朝の大蔵海岸を歩く。ウォーキングをしながら音楽を聴いていると、玉置浩二さんの『純情』という曲がレコメンドされて再生された。

お母さまへの心配、感謝、そして愛情を歌った曲。このタイミングでこんなに沁みる曲がかかるのだから、iPhoneは僕の心を覗いたのかもしれない。

経営者になって20年が経ったが、いまでもその肩書きに違和感がある。「商売人」と言われると安堵するのは、僕の後ろに父の存在を見てくれたような気持ちになるからだろう。数千人の経営者の方とお会いしてきたと思うが、僕にとって父以上の”商売人”とはまだ出会うことができていない。

父は2008年に亡くなった。以来、一度も夢に見ていない。近くにいるから夢に出てくる必要もないのだろうと、勝手にそう思うことにしている。僕が作文で選ばれることを、とても喜んでくれる父だった。どうだい、今も、父さんのことを書く僕のことは誇らしいかい?



晩年、病気で苦しんだね。人工透析。人生の半分、病院で管に繋がれている毎日。失踪して、自殺未遂騒動を起こしたりもした。逃げた先の四国まで迎えに行ったね。そうしたら今度は、うちの社員が失踪事件を起こしたりして。あれほど何度も父の話をして、失踪される側の痛みを伝えたつもりだったのに、僕の言葉はまだまだだな。

いろいろなことがあって、毎日が過ぎていく。時間もお金も体力も削られていくような感覚があって、心に余裕がないよ。

逢いたいね、声が聞きたい。父さんって言いたい。また一緒に、元町通商店街を歩きたい。店を終えて明石に戻ってくる父さんのことを、明石駅の改札まで迎えに行きたい。呼びたい、聞きたい、子どもに帰りたい、戻りたい。

今ならどんな風に甘えさせてくれるんだろう、与えてくれるんだろう、そして褒めて認めてくれるんだろう。それとも「まだまだだ」って言う?

伝えられなかった「ありがとう」に悔いを感じない日は一日もないよ。でも、ここにあることは父さんのおかげ。母さんは元気にしてるよ、最近白内障の手術をした。視界がクリアになったって喜んでる。だから姿、見せてあげたらどう?



誕生日、おめでとう。
生まれてくれて、生きてくれて、母と出会ってくれたおかげで、僕は今もここでこうして空を見ています。

特別な一日。
今日はこどもに帰ってもいいかい?



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