川柳 【川柳】鉄筋の妻で私は立っている ばた 2007年11月23日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 兄弟でさえ出来ない喧嘩も。親子でさえ持ち得ない温度も。夫婦には色々あり、おとこは、強い顔をしてみせながら。判断を委ねて、安心をし、悔しがったりもする。つまり、母になる強さに、おとこ …
川柳 【川柳】鰯雲 何が始まり終わったか ばた 2007年10月26日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 秋は確かに、その時を目撃していた。きっかけにして走り始める人の、言い訳にして物語を終えようとする人たちの、ほんのドラマの数々を透き通る 高い場所から 見守っていた。涙の味を覚えてい …
川柳 【川柳】そしてまたひとを許して神様は ばた 2007年10月26日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 今度こそはっ神様の呟き、神様のため息。曇天である理由はそんなところなのかもしれない。空を越えていく放物線は虹であるはずが誰かを傷付けるための …
川柳 【川柳】焼香の順序 ひそひそ声がする ばた 2007年10月26日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 追伸そんなわけで、うっかり忘れておりましてどうぞ、安らかにお眠りください。=== 【掲載】焼香の順序 ひそひそ声がする ふあうすと2 …
川柳 【川柳】タッパーの音 故郷は秋祭り ばた 2007年10月26日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 そこに置いてきたものがあります。そこに飛ばしているものがあります。そこから飛んでくるものがあります。僕は その線の温もりを 時々は思い出して嬉しいような、罪悪感のような複雑な気持ち …
川柳 【川柳】どの空を向いて黙祷しましょうか ばた 2007年10月26日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 花火なら良かったね。あの空に、この空に、また昇っていく。きりがないね、だからもう。そんなボタン 壊れてしまえばいいのにって。大人でなくても …
川柳 【川柳】悪友はどこ バス停は空の下 ばた 2007年10月26日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 いつ よーいドン どこへ よーいドンみんな一緒だったのにね。誰が 背伸びを始めたか。 誰が 無理をしていたか。バス停は風に吹かれていて 待っている。おーい、のんびりでいいぞって。古 …
川柳 【川柳】整頓の過ぎて発覚するドラマ ばた 2007年10月26日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 前略 中略 後略。いやな汗だねぇ、男ってやつは。=== 【佳作】整頓の過ぎて発覚するドラマ 月刊川柳マガジン2007年10月号 川柳道(「部屋」雫石 隆子選) …
川柳 【川柳】死にたいと言い秋刀魚など焼いている ばた 2007年10月26日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 秋がやってきましたなぁ、今年も、今年も。=== 【掲載】死にたいと言い秋刀魚など焼いている ふあうすと2007年10月号 全人 …
川柳 【川柳】子の憂い聞いてやるのも聞かぬのも ばた 2007年9月10日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 何も聞かずにそっとしていてくれた。夜明けまで、ずっと聞いていてくれた。一生懸命だった、想いの数々を。いつも、包んでいてくれましたね。ありがと …
川柳 【川柳】夏祭り 逢いたい人のもういない ばた 2007年9月10日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 浴衣の波 賑やかな声毎年大人になっていく僕の 手持ち無沙汰の理由それは君なら知っているそんな君には もう逢えないけれど=== 【掲載】夏祭 …
川柳 【川柳】飛ぶ空も追う子も消えた赤とんぼ ばた 2007年9月10日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 一番星を競った顔はがりがりと 鉛筆 かちかちと 携帯懐かしい風の吹く季節深呼吸したって きっといいはずの 優しい季節=== 【掲載】飛ぶ空 …
川柳 【川柳】曇らないバッジ雲っていく未来 ばた 2007年9月10日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 緑はそよぐ 朝風に希望の船出 呼び交わす明るい瞳 清い眉おゝ 明石 明石古い誇り 若い力未来の空は 晴れている僕らの卒業した、明石小学校の校 …
川柳 【川柳】神風の予報 祖国の生産者 ばた 2007年8月5日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 砕け散るための魂を産み落としてしまった、そんな昭和の後悔。今は、平成という時代にいて。もう、そんなはずはないという、確かな自信がなんだか、少し揺らぎ始めていて、海に、空に、祈るのは …
川柳 【川柳】帰り道逃がしてあげた夏休み ばた 2007年8月5日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 空へ、川へ、土へ、戻っていく命たち。今日の景色をありがとう。絵日記に書いた、麦わら帽子のいちにち。 お母さんと。=== 【掲載】帰り道逃がしてあげた夏休み ふあうすと200 …
川柳 【川柳】冷めていく紅茶 自白の時がきた ばた 2007年8月5日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 形式的なティーカップ、汗、動悸、鼓動、焦燥。責められることを予感した、沈黙。口を開けば、ストーリーの始まる。じりじりと、焦げていく心。僕はも …
川柳 【川柳】死亡率低下 さめざめ蜘蛛の糸 ばた 2007年8月4日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 管に繋がれた命の増えて。かろうじて呼吸はしている、白い建物。死亡率低下。生きているばかりが、希望ではないことも。許されはしない、その、蜘蛛の …
川柳 【川柳】うっかりと僕の焦がしている地球 ばた 2007年8月4日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 明日を植えることも、未来を燃やすことも。ほんのちいさな、にんげんという生き物の、ちょっとした。子どもたちがいつか、裸足のままで歩くことのでき …
川柳 【川柳】年金の増える手品はないですか ばた 2007年8月4日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 お役所仕事って、こういうことなんだよ。子どもたちに聞かせる話。おーい、役所の皆様方、拝啓、拝啓。=== 【佳作】年金の増える手品はないです …
川柳 【川柳】遺伝子を叩き直しているチャペル ばた 2007年8月4日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 魂を浄化させて。今までの自分ではない、自分の中の流れを祈る。きっと虫のいい話なんでしょうが。それだけの決意をもって、臨むもの。きみと、ここか …
川柳 【川柳】梅雨明けの空 今日からは今日からは ばた 2007年7月14日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 きっかけ、でもいい、口実、でもいい。とりあえず、でもいい、ようやく、でもいい。忘れるための太陽なのか、背中を押すための風なのか。とにかく、き …
川柳 【川柳】平和って聞いて生まれてきたんだよ ばた 2007年7月14日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 確かそんな約束をしたはずの僕らは。どんな顔をして、のぼる魂の無念を教えてあげられるのだろう。とめなきゃね、やめなきゃね。それは、まだ見ない、 …
川柳 【川柳】罪深き僕に笑ってくれるポチ ばた 2007年7月14日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 たとえば、いま、玄関で待っていてくれる。たとえば、いつか。魂になって巡り会う頃、きっと笑ってくれる。生きていても、生きたそれからも。ずっとそうなんだろうという気がしている。いつだっ …
川柳 【川柳】母になる瞳にぶれのない決意 ばた 2007年7月14日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 すべての優先順位の一番に。強く、優しく、暖かく、確かに。きみは、もうすぐ、母になる。その道の、なんと透明であることか。=== 【掲載】母になる瞳にぶれのない決意 ふあうすと …
川柳 【川柳】まだ今日があるネクタイの主義主張 ばた 2007年6月12日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 諦めたら「もう」、諦めなければ「まだ」。それを自分に言い聞かせるため、鏡の中のぼくは。準備完了、ネクタイに気合を入れて。強い顔をして、エネル …
川柳 【川柳】にんげんを急ぎはしないカタツムリ ばた 2007年6月12日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 ふあうすと2007年6月号、裏表紙広告。=== 一年を折り返す6月。この時期、納品の多い印刷屋泣かせの雨が続きますが、束の間の「太陽」を見付 …
川柳 【川柳】レトルトの愛が育てている時代 ばた 2007年6月12日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 「宿題、終わったよー」「テストで100点、取ってきたよー」「赤ちゃん、出来ちゃったよー」そうだ、祝福の拍手をしなくては。=== 【掲載】レ …
川柳 【川柳】国境の濡れ雑巾が追いつかぬ ばた 2007年6月12日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 繰り返してばかりの、争いの炎に。飽き飽きしていて、それは、天気予報と変わらないくらい、見慣れたニュースの一部だった。きっと、誰かが始めたんだろう。きっと、そのうち終わるんだろう。そ …
川柳 【川柳】平成の兵隊たちがするピアス ばた 2007年6月12日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 戦争は、過去の。平和は、当たり前の。兵隊たちは、飾りながら、過ごしていた。そうなるだろうとは、知らず、生きていた。昭和の、次の。そんな時代の、お話だった。=== 【掲載】平成の兵 …
川柳 【川柳】白線の内側 鬼も胃薬も ばた 2007年6月12日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 選者:中川 一さんの選後評 何故「鬼」と「胃薬」が並列にならぶのか。その意外性が句の幅を広げる。臆病になった鬼は縄張りの外へ少しでもはみ出すことを恐れ、胃薬は箱と説明書に使用上の注 …