雑記 愛犬じゅにあ、治療記(犬の悪性リンパ腫)3/17 朝 2013年3月17日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 3/17(土)朝。熱は37度8分とやや低いものの、昨夜の6度台からは回復。体重の減少はあり。脱水症状もある。膿はまだ出ていて、朝の病院で洗浄 …
雑記 愛犬じゅにあ、治療記(犬の悪性リンパ腫)3/16 夜 2013年3月16日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 3/16(土)夜。午後になってお腹のあたりから膿が出始める。夜の診察で洗浄してもらうと、それまでの元気のなさが嘘のように覚醒した。痛々しいま …
雑記 愛犬じゅにあ、治療記(犬の悪性リンパ腫) 3/16 朝。 2013年3月16日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 3/16(土)朝。37度8分、虚脱状態。意識レベルが低い。誤嚥があったのか、肺の炎症も認められる。「この2,3日かもしれない。そばにいてあげ …
雑記 愛犬じゅにあ、治療記(犬の悪性リンパ腫) 3/15 2013年3月16日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 3/15(金)朝。体重の減少はなく、熱もない。それでも明らかに元気がない。ガン悪液質の進行か、抗がん剤の副作用か。3/15(金)夜。これまで …
雑記 愛犬の悪性リンパ腫、治療の覚え書き。 2013年3月15日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 3/13(水)夜。食欲がないので、病院につれていく。血便は消化器官が荒れていることを示す。原因はステロイドによるものと考えられ、いったん、毎日のステロイド投与は休止。止血剤と胃の粘 …
雑記 刻むことばかりの幸せ。 2013年3月13日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 火曜日、抗がん剤治療開始。治療のリスクに見合う効果を祈る。「犬が笑う」という感覚は飼い主でなければ理解出来ないかもしれない。年を重ねて、じゅにあも難しい顔をすることが多くなった。今 …
雑記 僕の真ん中にあるもの。温かいもの。 2013年3月11日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 「ジュニア」と書くのか「じゅにあ」と書くのか。そういえば我が家のルールはどうなっているのだろうと確かめたら、弟は、最近お気に入りのこんな呼び方で診察券を作っていた。日曜の夜からステ …
雑記 その小さな鼓動に手を添えて。 2013年3月9日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 父さんの仏前で、堪えていたものが止まらなくなった。こんな時だけ力を貸してくれって困るだろうな。それでも、頼むよお願いだよって、叫んでしまった。年齢のこともある。苦になる選択をするつ …
雑記 愛犬に見つかった悪性リンパ腫。 2013年3月9日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 母からの電話、踏み込むアクセル。節々が腫れた愛犬ジュニア。夜中でも診察していただける先生のところに急ぐ。一目で悪性リンパ腫の疑いを指摘される。詳細は病理検査にて確定。細菌性の病気の …
雑記 歯医者さんには妖精がいるらしい。 2013年3月6日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 その名はマルチーニ。優しい顔をして、戦地へ赴く勇者たちを見守る。クラシックの響く待合室にて。 …
雑記 ひとの気持ちは変わるもの。 2013年3月6日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 彼は、いつも優しい言葉を選んで話しかけてくれた。穏やかな彼の語尾に、すべてを預けることが出来た。そんなある日、彼の態度が突然変わった。優しい彼が大好きだった、のに。 …
雑記 水筒の余生に見た、限界なき可能性。 2013年3月5日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 「元気ですか?」と気遣ってくださるような優しい方に「それが最近体調を崩してまして」などと答えては、さぞかしご心配をおかけしてしまうだろうと「ええ、おかげさまで」と返事をする。その後 …
雑記 【父さん母さん】NHK短歌に入選・紹介していただきました【俺やったよ】 2013年3月3日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 川柳でも短歌でも、上位で入賞すると講評をつけてもらえるのが嬉しいのです。昨年秋の尼崎市文芸祭に引き続き、NHK短歌でも入賞。2月の放送で紹介 …
雑記 カフェや公園でブログを書きたくなるiPhoneアプリ「するぷろ」に惚れてる。 2013年3月2日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 出先からのブログ更新といえば、昔はメールでの更新が主だった。写真を添えることは出来ても、文字を修飾したり変化に富んだ表情のあるエントリーを行 …
雑記 見慣れた景色の満足に。 2013年2月28日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 トタンを打つ雨音に、懐古の情に堪えなくなる。濡れない場所にある階段を選んでは、何段の高さから飛び降りることが出来たかを競い合った。勇気のある順に記録は更新されて、運動の苦手な僕はと …
川柳 【川柳】梅薫るから 言い訳の出来ぬ羽根 2013年2月24日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 3月には「そろそろ」という言葉が似合うような気がする。新年の誓いから遠くなりつつあっても、今ならまだ間に合うのではないか。何が出来ていなくて、どう、走り出すか。そんなことを考え直 …
川柳 【川柳】先生の嘘 今もまだ体温に 2013年2月17日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 個性というそれぞれを守るために、先生は嘘をついてくれた。貫いてくれた嘘は、僕のなかを生きていて、今を形成してくれている。「あした」とは、「明日」という目先ではなく「未来」のこと。余 …
雑記 明石妙見社 - ストレスを吐き出すことの出来る場所。 2013年2月10日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 ツツジで有名な明石の妙見社。石田三成に仕えた軍師、島左近が尊像されている。明石の柳人として有名な助川助六さんの「どの鯛も明石で獲れた貌をする …
川柳 【川柳】杉の舞う日は宙に向く言葉たち 2013年2月2日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 最近の歳時記には花粉症を季語として採り入れるものもあるのだとか。降り続く雨はないという言葉もあるが、それにしても、春の来るまでのこの時期は本当に憂鬱なものである▼屋根の下の時間が …
雑記 組織が機能しているということ。 2013年1月26日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 「これはいいな、書いて伝えたいな」と思うことであっても、自分の足元が固まっていなければ口先だけの人間になってしまう。「ブログに残したいな」と思うことであっても、優先すべきことは他に …
雑記 自分たちのいる線のあたりに。 2013年1月25日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 選られた言葉、行間の気遣いに触れて、まだまだを知る。期待値が高まると仕事をいただきやすくなるのかもしれない、けれど、期待以上を返すことはだんだん難しくなる。外交と内政のバランス。翼 …
雑記 書きすぎない文字と文字の間に。 2013年1月14日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 同友会青年部の沼さんに教えてもらって発注していた南壽あさ子さんのLandscapeというCDが届いた。ご本人の奏でられるピアノと透き通る歌声が心をほぐしてくれる。世の中には色々な自 …
雑記 君と僕の間にあったもの。 2013年1月12日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」というマニュアル通りの過ぎていく言葉だけではなく、たとえばレジでの合計金額が777円だったときに、(あ、7並びですね)(ほんとだ、なん …
雑記 優先することのなかに、一つの命。 2013年1月6日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 年が明けて年度終わりが近付いて、属する団体のいくつかでも新しい人事が進められようとしている。様々な打診をいただくも、自分の立場は自分だけのものではないということを常にして、迷えば、 …
雑記 三日目の爪/土に水に光に。 2013年1月5日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 添うて花にすることが目的であるのは、去年も今年も変わらない。土に水に光となることを、一つ一つの行動にリミットを決めて取り組む。「こなす」と「つくる」の役割の違い、「残したい、伝えた …
雑記 君を守るためそのために生まれてきたんだ。 2012年12月22日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 無駄と決めつけたら、事態は変わらない。それが誰の目に滑稽でも、守ろうと想う気持ちは奇跡になるね。…なるよね。このブログを始めた頃と状況も大きく変わって、お読みいただく方もTwitt …
川柳 [川柳] 耳たぶに風 幸せの顔をして 2012年12月20日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 ほんの小さな、ささやかな喜びを憶えていられるほうが、その人生は幸せに違いない。日常のなかに重なるそれらを綴るのに、この川柳という手段があって、今年はどれだけの幸を17文字に閉じ込 …
雑記 風に舞う、その怖さを刻む。 2012年12月9日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 波に洗われて石は丸くなるのに、人波に揉まれた心はどうしてこんなに刺々しくなるのか。見返りを求めるからしんどくなってしまう。今年はそうならないよう、自分の時間や心は、預けたい方向にだ …
雑記 とても知りたい術がある、とても担いたい役割がある。 2012年11月25日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 知りたいのは、寝転ぶ。犬がオシッコをする場所かも。犬ならまぁいいか。後日、その場所で立ち小便をするおっちゃん。を、見かけた時の、背中のぞぞぞ …
雑記 数ある病気のなかで、唯一風邪だけが「引く」と書くその理由について。 2012年11月23日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 「痔を引く」とも「肝硬変を引く」とも言わないのに、唯一「引く」と書く病気が風邪。「引く」には「吸い込む」という意味があり、古来中国では、邪( …
川柳 [川柳鑑賞日記]犬の目で歩けば犬に恋をする/田辺与志魚 2025年10月6日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 僕たちは僕たちの高さで世界を見てしまう。たとえば今日、土はどんな温度を携えて花を抱いていただろう。空はどんな色をして、雲を許していただろう …
川柳 [川柳鑑賞日記]旧姓に戻りましたと来るメール/谷口修平 2025年10月6日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 ただそれだけの事実、でも想像してしまう。どうしてそれを僕に伝えて来るのだろう、君には今、何が足りないのだろう。身勝手な空想にひとり、体温を …
川柳 [川柳鑑賞日記]帰省する孫に自慢の掲載紙/津倉てつや 2025年10月6日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 コピーライターとして文章を書き、印刷屋として紙に軌跡を残す仕事をしている。三大発明のひとつが活版印刷だと言われるのは、つまり、僕たちは「残 …
川柳 [川柳鑑賞日記]秋彼岸化けて出るなと数珠を揉む/矢野野薫 2025年10月6日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 ふふ、と笑ってしまった。墓前に思慕を詠む句は多いが、作者には思い当たることがあり数珠を揉んだのである。何をしてしまったのだろう。清らかに生 …
川柳 [川柳鑑賞日記]ほの明かり潜んでないで出ておいで/西島とこ 2025年10月6日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 希望という言葉をどんな表現に置き換えるか、置き換えないのか。僕たち詩人は試されている。さて、作者は、それを「ほの明かり」と表現した。擬人化 …
川柳 [川柳鑑賞日記]晩学の今は青春いろはにほ/朝岡えりか 2025年10月6日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 晩学という言葉を青春という色で裏返しにしてしまう躍動、いろはにほと表現する軽やかさ。僕は詩に寒色を足してしまいがちなので、こんな句の姿勢に …
川柳 [川柳鑑賞日記]秘密裏の動きを月に覗かれる/関つね子 2025年10月6日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 森の中にあるベンチ、見上げれば月。「ずっと」という約束を交わした青い日の記憶。瞳を閉じ合ってしばらくすると、秘密を知った月がすこしだけ、西 …
川柳 [川柳鑑賞日記]五欲まだ捨てる気はない風は初夏/辰巳和子 2025年8月4日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 禁欲に背を向ける宣言を初夏にする。追い風を身に纏って人間らしく生きられる人は本当に素敵だと思う。悟ったような顔をした大人には、僕はどうして …
川柳 [川柳鑑賞日記]約束が出来れば羽根が生えてくる/土方邦子 2025年8月4日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 僕は僕という人間にこれっぽっちも自信がなくて、誰かに誘われ、約束ができると居場所ができたようで嬉しくなる。ひとに与えられる約束はなんて安寧 …
川柳 [川柳鑑賞日記]夕焼けの余韻にひたる坂の街/澤田迪子 2025年8月4日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 海が見える街を連想させる。「浸る」ではなく「ひたる」とひらがなにした優しさも「燃えるような赤」から「淡い群青」への移ろいを際立たせた。色彩 …
川柳 [川柳鑑賞日記]結局は父の背中を追っている/谷口修平 2025年8月4日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 商いの苦労を知っていた父は「おまえたちには商売人になってほしくない」と僕ら兄弟に言い続けた。結局、自分も弟も、その背中に憧れてこの道を生き …
川柳 [川柳鑑賞日記]ソーラーパネル故郷の空に降らぬ星/樋口祐子 2025年8月4日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 古来、詩には幾度も「故郷」や「星」が詠われてきた。その古典的な言葉と現代的な題材を並べることで、作者は時代への警鐘を鳴らした。七文字のカタ …
川柳 [川柳鑑賞日記]捨てなさい枯れてしまった薔薇なんて/山口早苗 2025年8月4日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 美しさや価値は永遠ではないという無常感。戒めのようにも聞こえるが、一方で、記憶はまだ過去になりきっていないのではないかという執着のようにも …
川柳 [川柳鑑賞日記]逝きたいね傘のしずくを切るように/渡辺千代子 2025年8月4日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 傘のしずくのごとく一瞬で消える魂、潔い死への憧れを詠む。この世の無常を思えば、僕たちの存在はまさに泡そのものであるのだが、なかなかどうして …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞日記]八月の雨は首すじから濡れる/徳長怜 2025年8月4日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 傘で防ぎきれない突然の雨。ただ、「防ぎきれない」のはなく「防がなかった」とドラマを読み解けば、雨に身をゆだねる身体的感覚が強調される。無防 …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞日記]見られてもいいことだけを書く日記/藤本美知恵 2025年7月9日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 ところで僕は、中学生のころからネット上で日記を公開し続けている。だからかどうか、自分だけが読むことを前提とした日記を書けないことに気が付い …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞日記]「カワイイ」はフリーサイズの褒め言葉/妻木寿美代 2025年7月9日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 世界を拡張してくれる句だと思った。「かわいい」と伝えるのは、もしかすると相手によっては失礼なのではないかと躊躇してしまうことがある。ところ …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞日記]花は葉にだけど手足の動く幸/山尾ふたば 2025年7月9日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 人生の旬はいつだったろうと、過ぎた青に目を瞑って考える。でもそれでは、いまこの瞬間が引き算の結果と決めてしまっているかのようだ。足りないも …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞日記]そんなにも耐えたんだからもういいよ/内橋久代 2025年7月9日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 もう一度、信じてみよう。あと1分、待ってみよう。あと1cm、前へ行ってみよう…。いつからか、意地になってしまっている僕がいる。信念、なんて …
川柳 [川柳鑑賞日記]見守っていよう翼が乾くまで/朝岡えりか 2025年5月4日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 うんと若かったころの話。当時付き合っていた彼女から別れの電話があった。「いやだぜったい、いやだよぜったい」。叫ぶようにして泣いた僕の声を、 …
川柳 [川柳鑑賞日記]沈丁の香に恋慕またよみがえる/小島松太 2025年5月4日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 五感はいつかの時代にリンクしている。たとえば流行った音楽、たとえば学生街の食堂。僕はそうだ。五月のベンチの至近距離で、リンスの香りに魅了さ …
川柳 [川柳鑑賞日記]深掘りをすれば傷つく人がいる/藤本美知恵 2025年5月4日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 孤独の部屋にいて、聞いてほしいと思うことがある。ただし傷つきやすい僕である。どうしてそうなったの、どうしてこうしなかったのと理由を問うこと …
川柳 [川柳鑑賞日記]亀さんは寝ている兎起こさない/川村やまと 2025年5月4日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 これは真理であって、先にゴールを目指す僕たちは、自分の意思で寝てしまった兎を起こすような真似はしないのだ。でも、だから、考えてみた。僕が兎 …
川柳 [川柳鑑賞日記]補聴器を両手で受ける床屋さん/老沼正一 2025年5月4日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 この句を読んで、僕は「そうかっ」と唸ってしまった。当然、耳が不自由でも髪は伸びるし、床屋に行く必要がある。装着したままでは不便がある散髪。 …
川柳 [川柳鑑賞日記]思案する手持ちカードの上がり方/土方邦子 2025年5月4日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 カードの切り方ではなく、上がり方と作者は表現した。小心者の自分は、不安で仕方がない。この手札を出し、上がったと思ったら、まだその先には高い …
川柳 [川柳鑑賞日記]えいやーと5回となえて布団出る/徳永ひよこ 2025年5月4日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 布団に暮らしたい。たとえば好きな本を抱えて、たとえばおいしいお菓子を持ち込んで、たとえば世界中の映画を再生して。でも叶わず、冬の朝はやって …
川柳 [川柳鑑賞日記]誘われて散歩に出ると日がさした/井上恵美子 2025年5月4日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 闇の底に落ちたときでも、必ず、誰かが声をかけてくれる。自分の名を呼んでくれる。親はきっとそんな祈りをこめて僕たちに名を授けた。誘われるまま …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞日記]曲がり角ばかり呼んでもいないのに/西村みなみ 2025年3月5日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 ため息で汚れそうな曲がり角を、軽やかに表現する。もちろん、それぞれの角には傷も涙もあったのだろうが、その都度、骨は強くなっていったのだろう …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞日記]許すこと覚えた声が丸くなる/原正吾 2025年3月5日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 この世の中で一番難しいのは許すことなのではないかと思う。黒く赤く燃えた炎を消すことができず、僕の心はいつも虚しく汚い。それでも、いつか見返 …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞日記]すぐ消える昭和家族のシャボン玉/宮本緑 2025年3月5日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 2025年は昭和100年に当たるそうだ。僕は昭和51年製のシャボン玉。父や母、弟や愛犬たちの記憶を閉じ込めて、屋根へゆっくりと昇る。父はり …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]フェイクファー風を含んで湿りだす守りたいのは正しさじゃない/法橋ひらく 2015年6月22日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 フェイクファー風を含んで湿りだす守りたいのは正しさじゃない 法橋ひらく それはとても速くて永い (新鋭短歌シリーズ) べき …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]母と目が初めて合ったそのときの心でみんな死ねますように/岡野大嗣 2015年3月9日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 母と目が初めて合ったそのときの心でみんな死ねますように 岡野大嗣(twitter/blog「第2ファスナー」) サイレンと犀 (新鋭 …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]ならべるとひどいことばにみえてくる頑張れ笑え負けるな生きろ/岡野大嗣 2014年12月24日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 Amazonでサイレンと犀を購入すると、特典に安福望さんのポストカードがついてきた。安福望さんはこの本の装画と挿し絵を描いている方で、神戸の …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]自殺者の三万人を言いしときそのかぎりなき未遂は見えず/吉川宏志 2014年11月23日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 自殺者の三万人を言いしときそのかぎりなき未遂は見えず 吉川宏志 燕麦―吉川宏志歌集 (塔21世紀叢書) 新しい看板のまま、 …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]三月の十日の新聞手に取れば切なきまでに震災前なり/中村偕子 2014年10月25日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 三月の十日の新聞手に取れば切なきまでに震災前なり 中村偕子 変わらない空 泣きながら、笑いながら 東日本大震災を経験した五 …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]トングにて肉の赤きを返しつつこの四半期をねぎらわれおり/松村正直 2014年10月10日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 トングにて肉の赤きを返しつつこの四半期をねぎらわれおり 松村正直(blog) 午前3時を過ぎて (塔21世紀叢書) 空想で …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]多すぎる言葉を払い落したらきれいな空が広がっていた/中畑智江 2014年10月3日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 多すぎる言葉を払い落したらきれいな空が広がっていた 中畑智江 同じ白さで雪は降りくる (新鋭短歌シリーズ15) 「愚痴なら …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]かの時に言ひそびれたる大切の言葉は今も胸に残れど/石川啄木 2014年9月1日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 かの時に言ひそびれたる大切の言葉は今も胸に残れど 石川啄木 一握の砂 血圧や呼吸、心拍を伝える集中治療室のモニター。僕たち …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]風鈴の思い出しては鳴っているあれはゆうべの星との会話/杉崎恒夫 2014年8月23日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 風鈴の思い出しては鳴っているあれはゆうべの星との会話 杉崎恒夫 パン屋のパンセ 縁側、冷たい水。蝉の声、高校野球の実況中継 …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]だまし絵に騙されあっていましたね でたらめにうつくしかった日々/笹井宏之 2014年8月20日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 だまし絵に騙されあっていましたね でたらめにうつくしかった日々 笹井宏之 てんとろり 放課後や夏休みは永遠に続くように思わ …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]新しい朝が来たけど僕たちは昨日と同じ体操をする/木下龍也 2014年5月28日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 新しい朝が来たけど僕たちは昨日と同じ体操をする 木下龍也(twitter) つむじ風、ここにあります 新しい朝という言葉に …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]助手席のクーラーからは八月の土のにおいが漏れて 遠雷/山崎聡子 2014年5月12日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 助手席のクーラーからは八月の土のにおいが漏れて 遠雷 山崎聡子(twitter) 手のひらの花火 歌人の穂村弘さんは、この …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]あと少しのぼれば空が見えますよ抱きしめているもの捨てなさい/東直子 2014年5月9日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 あと少しのぼれば空が見えますよ抱きしめているもの捨てなさい 東直子(twitter) 十階 短歌日記2007 荷を背負った …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]夕空が鳥をしずかに吸うように君の言葉をいま聞いている/大森静佳 2014年4月26日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 夕空が鳥をしずかに吸うように君の言葉をいま聞いている 大森静佳(twitter) 歌集 てのひらを燃やす (塔21世紀叢書) …
短歌鑑賞 穂村弘さん監修の「はじめての短歌」に呻りっぱなし ~穂村弘さんってどんな人? 2014年4月19日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 「短歌で自己表現をしたい」「短歌がもっと上手になりたい」と思う人には最適な教科書であるのは勿論、穂村弘さんならではの文体が読み物としても面白 …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]Googleにホットスポット記されず北北東の風に吹かれる/天道なお 2014年4月15日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 Googleにホットスポット記されず北北東の風に吹かれる 天道なお(twitter/blog) NR 何年も通った校舎の前 …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]わたくしは水と炭素と少々の存在感で生きております/笹井宏之 2014年4月5日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 わたくしは水と炭素と少々の存在感で生きております 笹井宏之 ひとさらい 昨日歩いた道のどこかで見かけたタンポポの数を僕たち …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]さみしくて見にきたひとの気持ちなど海はしつこく尋ねはしない/杉崎恒夫 2014年3月13日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 さみしくて見にきたひとの気持ちなど海はしつこく尋ねはしない 杉崎恒夫 パン屋のパンセ 作者の杉崎さんは大正8年生まれ。20 …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]たくさんの孤独が海を眺めてた等間隔に並ぶ空き缶/木下龍也 2014年2月15日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 たくさんの孤独が海を眺めてた等間隔に並ぶ空き缶 木下龍也 つむじ風、ここにあります ソチ五輪のフィギュアスケートで日本男子 …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]降りだせる雨に気づけるきみを見て恋の終わりを予感しており/小島なお 2014年1月20日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 降りだせる雨に気づけるきみを見て恋の終わりを予感しており 小島なお サリンジャーは死んでしまった クロージングやデート。 …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]真実がもしも山なら君たちが登ったところで徒労ではない/中島裕介 2014年1月12日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 真実がもしも山なら君たちが登ったところで徒労ではない 中島裕介 もしニーチェが短歌を詠んだら 効率のいい方法、近道。 …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]あまたなる人の患ひのもととなりし海にむかひて魚放ちけり/今上天皇(平成) 2014年1月10日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 あまたなる人の患ひのもととなりし海にむかひて魚放ちけり 今上天皇(平成) 天皇陛下:水俣など訪問地を題材に短歌 天皇陛下は …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]たっぷりと春を含んだ日溜まりであなたの夢と少し繋がる/笹井宏之 2014年1月9日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 たっぷりと春を含んだ日溜まりであなたの夢と少し繋がる 笹井宏之 えーえんとくちから 理論は統計で、統計は感情や思惑の積み上 …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]知り合いの勝手に動く掃除機を持っていそうな暮らしをおもう/吉田恭大 2014年1月7日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 知り合いの勝手に動く掃除機を持っていそうな暮らしをおもう 吉田恭大 短歌研究 2013年11月号 スタートラインは同じだっ …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]この街が廃墟になっても後ろ手に空を見上げたままなのでしょう/東直子 2014年1月2日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 この街が廃墟になっても後ろ手に空を見上げたままなのでしょう 東直子 十階 短歌日記2007 明石駅に降り立った父は、ホーム …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]そのゆびが火であることに気づかずに世界をひとつ失くしましたね/笹井宏之 2013年12月20日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 そのゆびが火であることに気づかずに世界をひとつ失くしましたね 笹井宏之 え-えんとくちから 「人それぞれ」とお題目のように …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]忘れてはならぬ何かを念のため記したはずのあのメモがない/小島ゆかり 2013年12月16日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 忘れてはならぬ何かを念のため記したはずのあのメモがない 小島ゆかり 純白光 短歌日記2012 忘れっぽい人のことを集中力や …