川柳鑑賞 [川柳鑑賞]疑問符を集めわたしの辞書にする/こやまひろこ 2024年5月11日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 味方ではなく、辞書と表現したところに作者の強い意思が表現されている。味方は揺らぐものだが、辞書は絶対的存在。その強い言葉に対して、「違和感 …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]肩書きが多くさてさて何者か/𠮷田佐知 2024年5月10日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 わかる。すごくよくわかる。肩書きのたくさんある名刺をいただくことがある。よくわかる。「全日本肩書きを並べて自尊心と虚栄心を満たしてしまう委 …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]狂わせてみたいが狂えない時計/八木田幸子 2024年5月9日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 拙作にこの線を越えさせぬ血は父だろうという句がある。線を越えてみたい、時計を狂わせてみたい。常識倫理法律規則。橋を渡るとどんな世界が待って …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]寂しくてただ寂しくて群れている/原正吾 2024年5月8日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 人生のあちこちに忘れ物をしてきたような気がする。もう、取りには戻れない。そんな自分のことを周囲は哀れんでいるのではないか。笑っているのでは …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]泣いていいかしらあなたに慣れるまで/西村みなみ 2024年5月7日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 どきっとした。こんなことを言われたら、どんな気持ちになって何と答えるだろう。こんなことを言われる人は、どれだけ懐が深く魅力的なのだろう。涙 …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]ごぼう抜きされたごぼうの方である/米分只志 2024年5月6日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 僕は負けず嫌いで、勝てる土俵でしか勝負しない。それでも負けるのだから、悔しくて仕方がない。ぐぎぎぎぎぎと奥歯を幾度すり減らしてきたことか。 …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]病床にためらう月を呼び寄せる/荒岡浩志 2024年5月5日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 情感のある句だ。月。ためらう月。病床に。それを客体として人間が呼び寄せる。月は大切な人を表す比喩だろうか。それともツキを得て快癒を祈るのだ …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]戦列を抜けて視界が広くなる/辰巳和子 2024年5月4日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 いつ、どこで、僕たちは「普通」という物差しのある世界に足を踏み入れてしまったのか。今日も誰かと比べられ、明日も誰かのマウンティングに耐える …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]いつかするそのうちにする旅支度/藤本健人 2024年5月3日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 買い物をすると気分が高揚し、一時的に嫌なことを忘れられる。これを買い物依存症というらしい。自分もどうやらそれに似ていて、通販の段ボールが増 …
病気 2021年5月1日にSNSに書いたこと。明石市民病院(コロナ入院)から転院した日の記録。 2024年5月2日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 5月1日、転院しました。 市民病院は「救う」ための病院。僕はもう命の危機は脱しましたから、肺炎が悪化しないよう新しい病院で体力の回復 …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]光には必ず影が付き纏う/谷口修平 2024年5月2日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 雨は止むものだし、夜は朝になるものだ。光は闇によって存在することができ、闇の中で傷を負った人が伝える言葉には実感が伴って説得力がある。笑う彼女も、走る彼も。それぞれに影があって、 …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]サプリへの誘いに揺れている気弱/小池一恵 2024年5月1日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 コロナに罹って肺炎を患ってしまい、緊急入院したことがある。「あの線」をうっかり越えてしまいそうになり、以来やっぱり、健康についてよく考える …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]小さな帆張って私も風を待つ/佐藤ちなみ 2024年4月30日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 17文字という限られた文字数で、言葉を弱くしてしまう助詞の「も」の使い方には慎重になりなさいと習ったことがある。この句の「も」はとても効果 …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]恋心捨てた途端に無精ひげ/秋山博志 2024年4月29日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 「清潔感のある人がモテるらしいよ」と何度か言われたことがある。今思えばあれは、僕に足りないものを教えてくれていたのかもしれない。たられば。 …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]下駄箱に輝いた日のハイヒール/三好春美 2024年4月28日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 生きている今が一番良いに違いないのだけれど、たとえば、もう二度と同じメンバーで集うことのない教室を思い浮かべると胸が苦しくなることがある。 …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]どこまでも行こう枠からはみ出して/近藤紡藝 2024年4月27日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 明石城の石垣をよじ登ろうとしたら、上からも下からも大人たちに怒られてしまった。少年の天下への夢は、儚くも散ってしまったのである。思い返せば …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]台本があったみたいに猫通る/徳長怜 2024年4月26日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 大阪の下町を歩いた。時代ばかりが先へ急いで、内面になんの変化もない自分に焦る。ので。ときが止まったように思える空間にいると妙に落ち着くのだ …
雑記 診察室に呼ばれるまでの時間でブログをどれだけ書けるかチャレンジ、したかったのに。 2024年4月16日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 ツキイチ内科。呼ばれるまでの待ち時間。何か伝えたいことがあるわけでもなく、この空き時間にひたすらキーボードに向かったら、どれくらいの文量に …
情報 問題)伊勢名物「赤福」を購入することのできる、西日本地区高速道路上の最西端のサービスエリアはどこでしょう? 2024年3月22日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 正解は山陽自動車道の三木サービスエリア。 情報をお伝えしたのも西端でした。 …
iPhoneフォト日記 明石公園入口(明石市民病院真横)の町中華、美味園さん。あたたかい接客、やさしい炒飯。 2024年3月19日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 明石公園入口、明石市民病院真横にある町中華の美味園さん。 あえて"おばちゃん"と敬意を込めて呼ばせていただく。そのおばちゃん …
雑記 耳の痛い話。 2024年2月25日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 瘡蓋を剥がさないという今年の抱負があって、僕は両膝のそれを守ることができた。 ところが耳の中にできた傷に触れ続けた結果、どうやらバイ菌が入ってしまったらしく、ひどく痛みが続 …
雑記 腐れ縁。 2024年2月21日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 今夜は大学時代の漫才の相棒、塩谷と飯を食べに行く。正午前に電話がかかってきた。 「食べるなよ?」「なにを?」「昼飯や」「なんでや」「夜、がっつり食べるんや。俺は朝から食べて …
病気 2424年3月、目の駐車の予定とお目汚しな話。 2024年2月19日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 明け方まで原稿仕事をして、目覚めたら眼科に行く時間で驚いた雨の朝。悪化していて、3/18に右目、3/25に左目の注射をすることになった。 …
iPhoneフォト日記 山陽電車5000F(5000系)の直通特急運用! 2024年2月18日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 きたーーーーー!!!!慌てて撮影したーーー!!!山陽電車5000Fの直通特急運用!!! 普段は三宮と姫路の間を往復するこの子 …
iPhoneフォト日記 宝の地図かな? と思って、近づいてみることはよくある。 2024年2月18日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 宝の地図かな? と思って、近づいてみることはよくある。 …
雑記 泳げ人間くん #140字小説 2024年2月17日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 大脳辺縁系の発達で感情を持ち、大脳皮質の発達で五感や記憶、思考の水準が高まった。失敗から学べるようになった。 失敗を繰り返す人類は、やがて脳が退化を始めた。いつか羽の夢を見 …
iPhone/モバイル/PC/NET 人生で何度、靴ひもが解けていると言われたことがある? 2024年1月30日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 もう月末だ。年末にころんだ。そして1月13日にもころんだ。Apple Watchが転倒を検知して、緊急通報をしましょうか? と僕に聞いてき …
雑記 鼻毛、聞いてる? 2024年1月3日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 12月30日に転倒した。大転倒をした。転ぶとき、人は膝からいくのだなーと思いながらアスファルトに両膝をついた。勢いよく転がったので、気が付けば歩道の真ん中で仰向けになり、冬の空を …
ポイ活と資産運用 「eMAXIS全世界株式」と「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」の違い。似ているけど手数料が違うのでご注意を! 2023年12月30日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 ・eMAXIS全世界株式・eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー) これ、名前は似ているけど別物ですから!同じ運用の仕 …
病気 2023年一日に平均10,000歩あるく生活、目標達成! 一日に10,000歩く生活で生じた血液検査の変化(デメリット) 2023年12月25日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 タイトルの通り。 2023年一日に平均10,000歩あるく生活、目標達成しました! まだ今年は残っていますが、のこりを …
川柳 [川柳鑑賞日記]五欲まだ捨てる気はない風は初夏/辰巳和子 2025年8月4日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 禁欲に背を向ける宣言を初夏にする。追い風を身に纏って人間らしく生きられる人は本当に素敵だと思う。悟ったような顔をした大人には、僕はどうして …
川柳 [川柳鑑賞日記]約束が出来れば羽根が生えてくる/土方邦子 2025年8月4日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 僕は僕という人間にこれっぽっちも自信がなくて、誰かに誘われ、約束ができると居場所ができたようで嬉しくなる。ひとに与えられる約束はなんて安寧 …
川柳 [川柳鑑賞日記]夕焼けの余韻にひたる坂の街/澤田迪子 2025年8月4日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 海が見える街を連想させる。「浸る」ではなく「ひたる」とひらがなにした優しさも「燃えるような赤」から「淡い群青」への移ろいを際立たせた。色彩 …
川柳 [川柳鑑賞日記]結局は父の背中を追っている/谷口修平 2025年8月4日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 商いの苦労を知っていた父は「おまえたちには商売人になってほしくない」と僕ら兄弟に言い続けた。結局、自分も弟も、その背中に憧れてこの道を生き …
川柳 [川柳鑑賞日記]ソーラーパネル故郷の空に降らぬ星/樋口祐子 2025年8月4日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 古来、詩には幾度も「故郷」や「星」が詠われてきた。その古典的な言葉と現代的な題材を並べることで、作者は時代への警鐘を鳴らした。七文字のカタ …
川柳 [川柳鑑賞日記]捨てなさい枯れてしまった薔薇なんて/山口早苗 2025年8月4日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 美しさや価値は永遠ではないという無常感。戒めのようにも聞こえるが、一方で、記憶はまだ過去になりきっていないのではないかという執着のようにも …
川柳 [川柳鑑賞日記]逝きたいね傘のしずくを切るように/渡辺千代子 2025年8月4日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 傘のしずくのごとく一瞬で消える魂、潔い死への憧れを詠む。この世の無常を思えば、僕たちの存在はまさに泡そのものであるのだが、なかなかどうして …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞日記]八月の雨は首すじから濡れる/徳長怜 2025年8月4日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 傘で防ぎきれない突然の雨。ただ、「防ぎきれない」のはなく「防がなかった」とドラマを読み解けば、雨に身をゆだねる身体的感覚が強調される。無防 …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞日記]見られてもいいことだけを書く日記/藤本美知恵 2025年7月9日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 ところで僕は、中学生のころからネット上で日記を公開し続けている。だからかどうか、自分だけが読むことを前提とした日記を書けないことに気が付い …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞日記]「カワイイ」はフリーサイズの褒め言葉/妻木寿美代 2025年7月9日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 世界を拡張してくれる句だと思った。「かわいい」と伝えるのは、もしかすると相手によっては失礼なのではないかと躊躇してしまうことがある。ところ …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞日記]花は葉にだけど手足の動く幸/山尾ふたば 2025年7月9日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 人生の旬はいつだったろうと、過ぎた青に目を瞑って考える。でもそれでは、いまこの瞬間が引き算の結果と決めてしまっているかのようだ。足りないも …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞日記]そんなにも耐えたんだからもういいよ/内橋久代 2025年7月9日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 もう一度、信じてみよう。あと1分、待ってみよう。あと1cm、前へ行ってみよう…。いつからか、意地になってしまっている僕がいる。信念、なんて …
川柳 [川柳鑑賞日記]見守っていよう翼が乾くまで/朝岡えりか 2025年5月4日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 うんと若かったころの話。当時付き合っていた彼女から別れの電話があった。「いやだぜったい、いやだよぜったい」。叫ぶようにして泣いた僕の声を、 …
川柳 [川柳鑑賞日記]沈丁の香に恋慕またよみがえる/小島松太 2025年5月4日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 五感はいつかの時代にリンクしている。たとえば流行った音楽、たとえば学生街の食堂。僕はそうだ。五月のベンチの至近距離で、リンスの香りに魅了さ …
川柳 [川柳鑑賞日記]深掘りをすれば傷つく人がいる/藤本美知恵 2025年5月4日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 孤独の部屋にいて、聞いてほしいと思うことがある。ただし傷つきやすい僕である。どうしてそうなったの、どうしてこうしなかったのと理由を問うこと …
川柳 [川柳鑑賞日記]亀さんは寝ている兎起こさない/川村やまと 2025年5月4日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 これは真理であって、先にゴールを目指す僕たちは、自分の意思で寝てしまった兎を起こすような真似はしないのだ。でも、だから、考えてみた。僕が兎 …
川柳 [川柳鑑賞日記]補聴器を両手で受ける床屋さん/老沼正一 2025年5月4日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 この句を読んで、僕は「そうかっ」と唸ってしまった。当然、耳が不自由でも髪は伸びるし、床屋に行く必要がある。装着したままでは不便がある散髪。 …
川柳 [川柳鑑賞日記]思案する手持ちカードの上がり方/土方邦子 2025年5月4日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 カードの切り方ではなく、上がり方と作者は表現した。小心者の自分は、不安で仕方がない。この手札を出し、上がったと思ったら、まだその先には高い …
川柳 [川柳鑑賞日記]えいやーと5回となえて布団出る/徳永ひよこ 2025年5月4日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 布団に暮らしたい。たとえば好きな本を抱えて、たとえばおいしいお菓子を持ち込んで、たとえば世界中の映画を再生して。でも叶わず、冬の朝はやって …
川柳 [川柳鑑賞日記]誘われて散歩に出ると日がさした/井上恵美子 2025年5月4日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 闇の底に落ちたときでも、必ず、誰かが声をかけてくれる。自分の名を呼んでくれる。親はきっとそんな祈りをこめて僕たちに名を授けた。誘われるまま …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞日記]曲がり角ばかり呼んでもいないのに/西村みなみ 2025年3月5日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 ため息で汚れそうな曲がり角を、軽やかに表現する。もちろん、それぞれの角には傷も涙もあったのだろうが、その都度、骨は強くなっていったのだろう …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞日記]許すこと覚えた声が丸くなる/原正吾 2025年3月5日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 この世の中で一番難しいのは許すことなのではないかと思う。黒く赤く燃えた炎を消すことができず、僕の心はいつも虚しく汚い。それでも、いつか見返 …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞日記]すぐ消える昭和家族のシャボン玉/宮本緑 2025年3月5日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 2025年は昭和100年に当たるそうだ。僕は昭和51年製のシャボン玉。父や母、弟や愛犬たちの記憶を閉じ込めて、屋根へゆっくりと昇る。父はり …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞日記]教室の中で歪んでいく背骨/埜藤裕子 2025年3月5日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 幼稚園児の頃の記憶。プランターの花はまっすぐに伸びて、チューリップの歌を何度も口ずさんだ。あの花は、横に並んだ色たちをうかがうこともなく、 …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞日記]お守りが事故車の中で揺れている/川人良種 2025年3月5日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 加害者や被害者にも名前があって、誕生の際、親御さんはどんな祈りを込めてこの字を選んだのだろうと考えてしまう。その先の哀しい運命を浮かべるわ …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞日記]コロナ禍とお別れをした駅ピアノ/山口早苗 2025年3月5日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 封鎖されたピアノは寂しそうな顔をして待っていた。開かれることを、誰かが奏でてくれることを。下手な音符にピアノは微笑んで、得意なリズムにピア …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞日記]迷ったらまた原点に戻ろうよ/八木田幸子 2025年3月5日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 大阪梅田の地下迷宮で、僕はいつも人の海に溺れてしまう。前後左右、どこにいるのか、どこに行きたかったのか。迷ったら空を探すことだ。太陽は規則 …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞日記]胃カメラは知ってる君の気の弱さ/鈴木かおる 2025年3月5日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 外の世界のあんなこんなで痛めつけてしまった内臓に、申し訳ないと思うことがある。悔しさに泣き、怒りに震え、強くなれなかったとき。胃は寄り添う …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞日記]美しくそしてゆっくり老いる日々/竹部修清 2025年2月5日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 限られた字数の世界で、あえて「そして」という接続詞を用いることが、ふたつの理想を効果的に強調した。そう、美しく、そしてゆっくり老いていくこ …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞日記]落丁のページは胸の奥にある/山下華子 2025年1月9日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 あの日からずっと続くはずだった物語。背中を見送った日の涙は笑い話にするけれど、破りとった一枚のページは、今も詩の源泉になっている。続編を妄 …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]フェイクファー風を含んで湿りだす守りたいのは正しさじゃない/法橋ひらく 2015年6月22日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 フェイクファー風を含んで湿りだす守りたいのは正しさじゃない 法橋ひらく それはとても速くて永い (新鋭短歌シリーズ) べき …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]母と目が初めて合ったそのときの心でみんな死ねますように/岡野大嗣 2015年3月9日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 母と目が初めて合ったそのときの心でみんな死ねますように 岡野大嗣(twitter/blog「第2ファスナー」) サイレンと犀 (新鋭 …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]ならべるとひどいことばにみえてくる頑張れ笑え負けるな生きろ/岡野大嗣 2014年12月24日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 Amazonでサイレンと犀を購入すると、特典に安福望さんのポストカードがついてきた。安福望さんはこの本の装画と挿し絵を描いている方で、神戸の …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]自殺者の三万人を言いしときそのかぎりなき未遂は見えず/吉川宏志 2014年11月23日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 自殺者の三万人を言いしときそのかぎりなき未遂は見えず 吉川宏志 燕麦―吉川宏志歌集 (塔21世紀叢書) 新しい看板のまま、 …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]三月の十日の新聞手に取れば切なきまでに震災前なり/中村偕子 2014年10月25日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 三月の十日の新聞手に取れば切なきまでに震災前なり 中村偕子 変わらない空 泣きながら、笑いながら 東日本大震災を経験した五 …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]トングにて肉の赤きを返しつつこの四半期をねぎらわれおり/松村正直 2014年10月10日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 トングにて肉の赤きを返しつつこの四半期をねぎらわれおり 松村正直(blog) 午前3時を過ぎて (塔21世紀叢書) 空想で …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]多すぎる言葉を払い落したらきれいな空が広がっていた/中畑智江 2014年10月3日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 多すぎる言葉を払い落したらきれいな空が広がっていた 中畑智江 同じ白さで雪は降りくる (新鋭短歌シリーズ15) 「愚痴なら …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]かの時に言ひそびれたる大切の言葉は今も胸に残れど/石川啄木 2014年9月1日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 かの時に言ひそびれたる大切の言葉は今も胸に残れど 石川啄木 一握の砂 血圧や呼吸、心拍を伝える集中治療室のモニター。僕たち …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]風鈴の思い出しては鳴っているあれはゆうべの星との会話/杉崎恒夫 2014年8月23日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 風鈴の思い出しては鳴っているあれはゆうべの星との会話 杉崎恒夫 パン屋のパンセ 縁側、冷たい水。蝉の声、高校野球の実況中継 …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]だまし絵に騙されあっていましたね でたらめにうつくしかった日々/笹井宏之 2014年8月20日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 だまし絵に騙されあっていましたね でたらめにうつくしかった日々 笹井宏之 てんとろり 放課後や夏休みは永遠に続くように思わ …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]新しい朝が来たけど僕たちは昨日と同じ体操をする/木下龍也 2014年5月28日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 新しい朝が来たけど僕たちは昨日と同じ体操をする 木下龍也(twitter) つむじ風、ここにあります 新しい朝という言葉に …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]助手席のクーラーからは八月の土のにおいが漏れて 遠雷/山崎聡子 2014年5月12日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 助手席のクーラーからは八月の土のにおいが漏れて 遠雷 山崎聡子(twitter) 手のひらの花火 歌人の穂村弘さんは、この …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]あと少しのぼれば空が見えますよ抱きしめているもの捨てなさい/東直子 2014年5月9日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 あと少しのぼれば空が見えますよ抱きしめているもの捨てなさい 東直子(twitter) 十階 短歌日記2007 荷を背負った …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]夕空が鳥をしずかに吸うように君の言葉をいま聞いている/大森静佳 2014年4月26日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 夕空が鳥をしずかに吸うように君の言葉をいま聞いている 大森静佳(twitter) 歌集 てのひらを燃やす (塔21世紀叢書) …
短歌鑑賞 穂村弘さん監修の「はじめての短歌」に呻りっぱなし ~穂村弘さんってどんな人? 2014年4月19日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 「短歌で自己表現をしたい」「短歌がもっと上手になりたい」と思う人には最適な教科書であるのは勿論、穂村弘さんならではの文体が読み物としても面白 …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]Googleにホットスポット記されず北北東の風に吹かれる/天道なお 2014年4月15日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 Googleにホットスポット記されず北北東の風に吹かれる 天道なお(twitter/blog) NR 何年も通った校舎の前 …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]わたくしは水と炭素と少々の存在感で生きております/笹井宏之 2014年4月5日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 わたくしは水と炭素と少々の存在感で生きております 笹井宏之 ひとさらい 昨日歩いた道のどこかで見かけたタンポポの数を僕たち …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]さみしくて見にきたひとの気持ちなど海はしつこく尋ねはしない/杉崎恒夫 2014年3月13日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 さみしくて見にきたひとの気持ちなど海はしつこく尋ねはしない 杉崎恒夫 パン屋のパンセ 作者の杉崎さんは大正8年生まれ。20 …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]たくさんの孤独が海を眺めてた等間隔に並ぶ空き缶/木下龍也 2014年2月15日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 たくさんの孤独が海を眺めてた等間隔に並ぶ空き缶 木下龍也 つむじ風、ここにあります ソチ五輪のフィギュアスケートで日本男子 …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]降りだせる雨に気づけるきみを見て恋の終わりを予感しており/小島なお 2014年1月20日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 降りだせる雨に気づけるきみを見て恋の終わりを予感しており 小島なお サリンジャーは死んでしまった クロージングやデート。 …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]真実がもしも山なら君たちが登ったところで徒労ではない/中島裕介 2014年1月12日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 真実がもしも山なら君たちが登ったところで徒労ではない 中島裕介 もしニーチェが短歌を詠んだら 効率のいい方法、近道。 …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]あまたなる人の患ひのもととなりし海にむかひて魚放ちけり/今上天皇(平成) 2014年1月10日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 あまたなる人の患ひのもととなりし海にむかひて魚放ちけり 今上天皇(平成) 天皇陛下:水俣など訪問地を題材に短歌 天皇陛下は …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]たっぷりと春を含んだ日溜まりであなたの夢と少し繋がる/笹井宏之 2014年1月9日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 たっぷりと春を含んだ日溜まりであなたの夢と少し繋がる 笹井宏之 えーえんとくちから 理論は統計で、統計は感情や思惑の積み上 …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]知り合いの勝手に動く掃除機を持っていそうな暮らしをおもう/吉田恭大 2014年1月7日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 知り合いの勝手に動く掃除機を持っていそうな暮らしをおもう 吉田恭大 短歌研究 2013年11月号 スタートラインは同じだっ …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]この街が廃墟になっても後ろ手に空を見上げたままなのでしょう/東直子 2014年1月2日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 この街が廃墟になっても後ろ手に空を見上げたままなのでしょう 東直子 十階 短歌日記2007 明石駅に降り立った父は、ホーム …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]そのゆびが火であることに気づかずに世界をひとつ失くしましたね/笹井宏之 2013年12月20日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 そのゆびが火であることに気づかずに世界をひとつ失くしましたね 笹井宏之 え-えんとくちから 「人それぞれ」とお題目のように …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]忘れてはならぬ何かを念のため記したはずのあのメモがない/小島ゆかり 2013年12月16日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 忘れてはならぬ何かを念のため記したはずのあのメモがない 小島ゆかり 純白光 短歌日記2012 忘れっぽい人のことを集中力や …